多くの日系企業では、工場など職場の巡回チェックをされていると思います。然し中には巡回曜日や時刻、ルートを決めているところもあります。これは幹部の責務を明確にしておきたい意向と思われますが、好ましいことではありません。決めるのであれば:

1、週に何回巡回チェックするか、気づかれた良い点、好ましくない現象、どう対処したか等、巡回結果を簡潔に報告させること。

2、巡回検査時に、現場作業員に直接指導指示をする幹部が時にはいるが、これは好ましくない。円滑であるべき現場作業に悪影響が出る恐れあり、又良好であるべき現場人間関係を阻害する恐れもある。必ず班長など現場長を呼んで、よく聞き彼等を通じて指導改善をすべきである。

3、健康管理にも十分気遣いすべきである。身分意識や職階意識の強い中国では、幹部は必ずしも末端の作業員の健康状態への留意が十分でない場合があり、注意を喚起すると共に、状況により医務室に行かせ、又は早退させること。

4、当然ながら、巡回報告の結果に基づいて、模範的な事例を発見した時は、幹部会で披露すると共に、場合により朝礼などを利用して全社員に知らせ、顕著な事例に対しては物心両面で表彰すべきである。

5、現地政府(地方自治体)首脳や賓客がある場合、多くの職場で直前に突然5S活動に熱心になる場合がある。日頃の5S活動が最も大切で、この様な場合や検査日の直前のみ熱心なのは、モラル的に低劣であると、再三指摘したことがある。定着させるのは難しいことであるが、飽きず懲りず指摘し続け、「継続こそ力なり」と言い続けましょう。
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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