最近は折に触れ中国での外国製品等の模倣性の事例が報道されています。
これ等の事例で見る限り、中国人はあまり独創性がないのではないかと見られますが、どうも中国人自身やや自嘲気味で、もっと自信を持ってほしいと思います。3,000年余前に作られた漢字が、中国だけでなく日本でも今なお使用されており、火薬の発明、航海に必要な羅針盤の発明、建築技術等歴史を紐解けば中国人の独創性を示す事例は沢山見られるでしょう。現在問題視されるのは主として:
1、 知的所有権への正しい理解と運用でしょう。日本の地名や商品名類似のブランドが中国で平気で商標として登録されていること。勝手にコピー商品を作り販売すること等。私が度々購入したCDやDVDは、正規品はほとんどなく20元前後と安いコピー製品でした。正規品は少なく購入は困難でした。
2、中国人の言い訳として、古代文明では多くの中国人の発明品や創造したものが、ほとんど無償で日本や朝鮮半島に伝授されたのに、いち早く近代化した日本や欧米が勝手に国際的なルールを作り、それを中国等発展途上国に遵守を強要するのは本来不合理であると思っていることです。
  以上は我々民間人では、影響力行使は不可能ですが、中国で企業経営に当たられている皆さんに、是非意識して活用して頂きたい点があるので、紹介いたします。
  戦後暫くの間、日本商品は「安かろう、悪かろう」と言われた時代がありました。一例を上げますと、「一ドルブラウス」です。当時の一ドルは360円でしたが、輸出先のアメリカでの評価でした。エアコンも販売当初はアメリカのGE製には敵わないと言われたり、扇風機も騒音が大きいと言われたりしましたが、オイルレスベアリングの開発等により、静かな上無給油でOKと言うことで、瞬く間にアメリカ製以上の性能になりました。
私が中国で工場の現場幹部に良く強調したのは、「真似をするのは構わないが、その時代に必要なルールを守ること、更に真似するだけでなく改良改善を継続し、手本にしたもの以上の品質を実現し、新たな機能を加えることが大切である。日本人は有史以来こうして来たのである。言うならば日本は中華文明や欧米文明の後工程として、より緻密な考察と努力を傾注してきた。世界の四大文明の一つである中華文明創製者の子孫として君達に出来ないことはない」というものであります。褒めて感謝し、その上で厳しく要求すると言う“褒め殺し”がベストでしょう。
最近NHKテレビの「地球イチバン」と言う番組で、深圳市龍崗区大芬油画村と言う、
400x400m程度の地域に9,000人の油絵の模倣者が住んでおり、内外の有名な油絵を大量に模倣し、輸出を含め販売している情況を紹介していました。模倣を繰り返しやがて個性あふれる独創的な油絵を描き、品評会で3回入選すると「画工」と言う身分から「画家」になれると言うものでした。画家と称せる人は未だ200余人とのことでしたが、素晴らしい取り組みではないかと感心した次第です。北京市街地の南西に位置する「瑠璃廠」と言う街は昔から骨董品街として有名ですが、ほとんどは複製品で、その出来栄えは本物以上と言えるものも少なくないようです。
 模倣するのは一概に悪い事とは言えず、国際的なルールやマナーを守り、何よりも中華文明の後裔としての誇りを堅持する様、求めたいものです。


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