生真面目な話から離れて、私が長期間生活した北京、上海、武漢、大連等の日本人はあまり参観、見物しないと思われる若干の推奨地(穴場)をご紹介しましょう。
先ずは北京から:
推奨点は大観園、白雲館、龍慶峡、頤和園の北側、恭王府です。
1、大観園:約250年前に書かれた中国を代表する長編小説、「紅楼夢」の主な舞台となる邸宅群が散在する。主人公の賈宝玉の姉、元春は貴妃に取立てられた為、帰省用邸宅として皇帝より賜ったことになっている。公園風の12万㎡の屋敷に小説に登場する主要人物の住宅や若い貴族の男女の交遊場所も再現されている。20年余前に紅楼夢の連続テレビドラマが放映され、時を同じくしてこの架空の邸宅が建設された。私の北京在住期間中、10回以上参観したが、最近では樹木も大きくなり“自然な風格”を帯びてきた。然し、住居群の寸法が3/4に縮小して建設されているので、やや小振りの印象が残るが、参観時には頭に入れておく必要がある。興味のない人には信じられないことだが、小説中のことであるにも拘らず、ヒロインの林黛玉が、賈宝玉と結ばれることなく、乙女のままで早世してしまうので、この書が世に出て以来、それを知り悲観して自殺した若者が何人もいる由。場所は、旧市街西南角の南菜園で、西側に大観園酒店と言うホテルが隣接されており、その餐庁では貴族料理(私には京都の和風料理の印象がある)が食せるが、「倣膳」の宮廷料理より高級で、価格も高価だったと記憶する。詳細はインターネットで検索可能。
2、白雲観:道教の代表的寺院であり、ここには道教協会の本部や道教学校もある。
中国独自の伝統的宗教は道教であり、神話時代を含めご先祖様等を祀る点では日本の神道に類似していると思われる。中国人の伝統的風俗習慣への理解を深めるには是非参観される様お薦めする。他の道教寺院でも、当然お釈迦様(仏像)はないが、観音様を祀っている道教寺院はあり、かなり大らかである。歴史上の有名人物、関羽を関公と呼んで、その像を良くレストランや風俗業店入口に置き、財神にしているのも道教的風俗である。
場所は復興門外大街の「工会本部」の南側にある。
3、龍慶峡:長城の昔からの参観場所は北京の北北西70km先の八達嶺であるが、更に20km北に進むと、堰で仕切られた龍慶峡がある(少し手前は延慶、その西方は北京市民の水源の官庁ダム)。夏は乗船納涼を楽しみ冬はハルピン氷祭りの小型版を楽しめる。
4、頤和園:代表的な北京の観光地で、西太后が海軍費用を流用して増改築したとして有名だが、東門から入る一般的観光順路とは別に北側からも入れる。すると華北人が憧れた江南地方を代表する蘇州の模倣街があり、昔の銅銭に交換し買い物も楽しめる。
5、恭王府:誰でも知っている北海公園の北側には前海、後海と小さな湖が続いているが、後海の南西側に250年前建設の皇族の御所である恭王府(インターネットで検索可能)がある。生活の場としては皇帝の故宮より豪勢だったと私の目には見えた。
   
    柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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