メンテナンスの重要性については、日頃から教育されていると思いますが、なかなか
徹底せずご苦労されているのではなかろうか?
1980年代私が商社の北京事務所所長をしていた時に、日本の機械設備を買いたいという中国の工場の関係者が、沢山事務所に来訪されたが、極力その工場を訪問して工場を参観させて頂いた。特に買いたいと言うラインの前後関係を見させて頂き、購入の必然性や購入後の使用効果、及び全般的な考察により財務能力等見極めようとしたものです。その折に、いろいろ助言を求められるのはいいのだが、問いもしないのに、「この設備は50年代のもの」とか「60年代のもの」と言い、古いから生産性が低いとか精度が出ないと言ったり、使いものにならない等と言ったりする場合が多く、気になっていた。総体として、メンテナンスが悪く、比較的新しい設備に対しても手入れが良くない場合が多かった。
 中国でも「保養」とか、「維修」との言葉はあるが、日本で使用されている「保全」と言う程、
完璧を期そうとの習慣はないと見られた。ビルや道路、橋梁にしても完成すると、即老朽化が始まると言うのが、多くの中国人の常識であったが、現在はどうであろうか?理屈上は確かにその通りであるが、多くの日本人は絶えず手入れし、調整して場合により消耗し易い部品は交換して常に最良の使用条件を保持する、即ち完全さを保持する「保全」に各社注力しているのである。常識の相違は容易には変えられないとの前提で、繰り返し幹部教育を繰り返す必要があろう。
 方法としては、可能な限り日本では常識になっている事例を紹介すると共に、中国でも他社の事例のみならず、自社工場の良い事例(顕著な場合は表彰も必要)も限りなく沢山紹介するのが効果的です。

 品質向上運動の基礎である5S活動でもあるが、
① 検査日前とか重要客人の来訪直前にあわてて整理整頓や清掃をするようでは不可で、
  毎日が検査日と思えと言うくらいの要求は最低限すること。
② とかく見え易いところばかり整理整頓、清掃する傾向を如何に早く卒業するかも幹部の頭に叩き込む必要があろう。
  30年余も前に始まった中国のTQC運動も、なかなか根付かずデパートやスーパーでも
一階の化粧品売り場はきれいだが、トイレは故障したままの便器があったり、清掃が行き届かない情況にあり、外国人が多く利用するホテルではロビー奥の共用トイレなどでは専属の清掃人を雇用している情況は皆さんもご存じでしょう。これは多くの中国人も利用し、平気で汚すので、その様な情況に対応した措置といえます。現在私は日本で毎日の如く自転車で遠乗りし多くの公園に立ち寄り用を足すが、最も大衆的な公共トイレもきれいになっており(清掃人は週に一回程度清掃する)、トイレットペーパーも誰も持ち去る者はいない。日本人にとっては当たり前のことであるが、日本人の清潔感やモラルは大いに誇りにして良いと思う。


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   柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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