多くの中国人は、「防犯意識は日本人より強いが、安全管理への意識は低い」ことは皆さんもご存知でしょう。停電等非常時への対応、健康管理や事故対策も安全管理の一部になります。調達設備の品質の良し悪しも安全管理に関係します。経験の一部を紹介しましょう。
☆ 職場にも依りけりですが、多くの作業員は疲れ易く、連続2時間も作業させると一息入れさせる必要があります。そうでないと作業ミスや怪我が増えるでしょう。僅か60cm程度の台座から飛び降りただけで、踝(クルブシ)を複雑骨折してしまった事例に遭遇、その対応に苦労したこともあります。社員の健康管理が大切です。中国のアスリート達のすごい持久力は、あくまで特別な人達との認識が必要です。
☆ JICAの林業関係技術協力(武漢)で、現地調達を含む管理面の仕事をしていた時の経験です。組織培養する為恒温室を作りましたが、非常用電源の管理に問題がありました。停電対策としてD-G(ディーゼル発電機)を所有していたが、D-G小屋の鍵の所有者が一人だったことです。停電時その者が遠出していたら、D-Gを直ぐには運転できず、夏場だと恒温室の温度は急上昇し組織培養は大きな打撃を受けます。又、D-Gも信頼性が不確かな銘柄であり、定期検査・試運転等の規定も明確でなかったので、信頼性の高い上海柴油機廠からもう一台購入すると共に、万一停電の際には10分以内に運転できる体制を敷いた(夜勤や休日の当直者にもD-G運転方法を教え、合鍵も持たせ、毎月テスト運転する等)。
☆ これも上記の武漢勤務時代の経験だが、山間部に準備した苗畑での作業用にトラクター(軽トラック機能も利用する)を購入し、日本から送り込む話が持ち上がったことがある。調べてみると、輸送費用も含めると日本製一台分の予算で、中国製(中国で有名な洛陽トラクター廠製)なら三台購入可能な上、アフターサービスも受け易いと判明、急遽現地調達に変更した。現在は沢山の外資系工場のみならず、中国純国産でも相当高品質の機械機器が多くなっているので、「中国製の品質は信頼できるかどうか分らん」と決め付けず、先入観にとらわれず、設備投資の対象として検討されるようお勧めします。
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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