高い目標をあえて設定される企業があります。オーナーは、その数字はかなりきつい数字だとわかっていても高くされます。理由は、少々目標数値が行かなくても十分利益が出ると判断されているのと、高い目標を設定していないと、現場の士気が落ちるのでは心配されているようです。

目標を高くして、その数字を達成できないとダメなんだというくらいの勢いです。トップが決めた数字なので誰も止めることはできません。

企業や業界が成長期には、効果のある経営手法だと思います。ところがマーケットが縮小して、企業の業績も低迷期に入っている時には逆効果になる場合があります。

オーナー企業ほどこの傾向が強いです。どうしても会社を守らなければならないと思われ、数字を追いかけられます。それも売上が大事な指標となっています。売上を作って行かないと、従業員の生活を守ることはできないんだという強い意志があります。

その気持ちもわかりますが、でも最初から誰が見ても到達不可能と思われる数字を目標とするのはどうでしょうか?これでは逆に従業員の士気が上がらないと思います。

また社長が勝手に大きな目標を立てていると思われます。アドバルーンを上げるだけでは売上を上げることができなくなっています。目標数値を達成するための手段や方法論をきっちりと説明しない限り、裸の王様になってしまいます。

何回かは通用してもそのうち効果が薄れてきます。効果がなくなった時、人は離れて行きます。退職者が多くなって慌てることになります。

このような状況は何度も見て来ています。社長を止める人がやはり必要だと思います。少なくとも幹部の方との調整が必要です。幹部の方からの意見も聞きながら、妥当と思われるところに収めるのが良いと思います。

個人商店の経営ならこれでも良いですが、組織として機能しているなら、無茶や無理な目標数値は経営を危うくするだけです。どこかに必ず歪が出てきます。

アドバルーンを常に上げておかないと、現場が動かないと思われているようですが、もうこの手法もだんだん通用しなくなっています。従業員の方の方がより実感されています。どのくらいの数値なら頑張れば大丈夫なのかを把握されています。できればその頑張れば達成しそうな数値に色を付けるくらいが妥当だと思います。

独断専行は気を付けられた方が良いです。アドバルーンの効果がなくなった時、社内でゴタゴタの問題が生じてきます。

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