すべてがそうなるとは限りませんが、延命策だけではいずれ同じような状況がまたやってきます。

金融支援を受けている間に、本当の意味での再生を果たさないといけないと思います。そのためには何が必要で、どのようになると危ないか、それを知っておくことが大事だと思います。

まず、地に足のついた経営計画書・改善計画書を書くことです。無茶や無理な数字を並べてみても現実的に達成できないと意味がないです。1年経つと計画書が妥当だったのかどうなのかわかります。

それと初年度だけクリアしたらそれで良いというようなものではなく、3年後、5年後も見据えて書けているかどうかです。当然1年目が終われば、また修正した計画書を作成します。早いところは、スタートして半年後に書き換えです。

また大事なのは、できる限り初年度に膿を出し切ってしまうことです。まだ大丈夫ではという安易な発想が後々厳しくなってきます。経費を圧縮し、資産を売却し、後は数字を伸ばすだけという状態に持っていけるかどうかです。

本音は、徐々に改革を進めたい、売却も検討して行きたいと思われるかもしれませんが、逆にその方がつらいと思います。できれば一気に整理を図ることです。

そうやってやっと1年目に営業利益が出たとしてもそれでは本当の再生になっていません。次は返済できる状態に持って行かないといけません。営業利益は固定費の圧縮で何とかなりますが、経常利益を出したり返済できる状態にするためには、やはり営業を強くして行く施策が必要です。

実は再生1年目にこの営業強化策を模索する必要があります。可能性のあるものはすべて調査・検討を行い伸びしろを判断しないといけません。これが延命策の状態から本当の意味での再生に向けて一番大事なことです。

これから数字を伸ばすことができるかどうかです。新商品や新チャネルの可能性や販売戦略の見直し、商品・サービスの見直しを検討する必要があります。

初年度は経営を整えるという意味合いと、今後の業績回復を目指すための材料を探すということが含まれています。

何とか固定費や諸経費を圧縮し営業利益が出るようになったと安心していると2年目以降上手く行かないことがあります。次の芽を必ず見つけることです。

業績不振企業の特徴は、数年間、新商品・新サービスが出ていないことが挙げられます。販売戦略なども見直しをされていないことが多いです。

将来のことを考えるなら、どうやって売上を作って行くのか、その可能性を議論し合うことが大切です。ここに注力できるかどうか、常に新しいものを見つけて販売するという姿勢が大事です。

延命策に終わらせないためには、常に商品を作り続けることです。整理することに時間が取られ、何ら変わっていないという状態が一番危険です。

改革の議論も整理中心の話から、これから数字を伸ばす話へと転換させないと
本当の意味での再生にならないと思います。

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