よくある話です。今使っていない自社物件を利用して事業を行いたいという相談です。

「どのような商売だったら良いですかねぇ」と悩まれています。
ところが物件というのは、可能性が高いのなら売りに出さなくても不動産屋さんの方から話があります。

店頭に「空き物件」「賃貸物件」などの表示があるということは、誰も手を出していない、声をかけていない物件で売れないからです。

逆に今何かの商売をされていても大家さんに不動産屋さんから契約条件や今後のことを聞かれ、もし空きになるようなことがあれば貸して欲しいと依頼があります。好物件に空きはないです。常に予約でいっぱい。不動産でもあっても次の利用者が決まっているのが普通です。

だから空き物件と聞いた瞬間、可能性が低くなります。おそらく空いているなら、皆調査を行い事業の可否判断をしているはずです。それも何年も空き物件と言うのは誰も手を付けていない証拠です。

自分の土地だから、建物だからそこで何とか商売をしたい。食べて行ける分くらい入ればそれで良いので、別にお金儲けがしたい訳ではありませんと皆さんおっしゃいます。でも私の経験則上では、食べて行ける分だけ稼げる商売というのが一番難しいです。

物件の利用が大事なのか、食べて行くのが大事なのか、それを見極められてもと思います。無理をされて、今の自社物件で事業をスタートして失敗したらたいへんです。

事業をスタートしようと決断されたのなら、頭を真っ白にされてあらゆる可能性を検討された方が成功しやすいのではと思います。

また、何をしようか迷っているという状態では、絶対に失敗します。やりたい商売を先に決めて、それから立地や物件です。


例えば、他の立地で借りても良いのでは?今はパチンコ店でも借家の時代です。買ってしまえば資産となり、そこから動けません。

今の時代、人や車の流れはよく変わります。10年一区切りで好立地へ移転し続けた方が商売としては有利に働くことがあります。

悩みを決断できない自分があり、一度話を専門家の意見を聞いてみたいという方が多いです。でも、大丈夫ですよとは絶対に言いません。正直に現状の厳しさをお伝えさせていただいています。

安易に自社物件を活かせないかという相談ほど成功する確率は低いです。まず、専門家やプロの方から意見を必ず聞くことをおすすめします。意外と知らなかった話が聞けると思います。

自分の中だけ判断されない方が良いです。課題は自社物件の活用ではなく、事業スタートをどう行うのか、それを考えることが大切だと思います。

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