医療機関からのご依頼のメインテーマに接遇力アップ、接遇改善があります。皆さん、同じことで悩まれているようです。

小売業・サービス業では、接客サービスに対する教育の時間と費用をかければ
どんどん成長し、成果も目に見えて現れるようになります。

医療機関ではどうでしょうか?
最近では、『医療はサービス業である』と言われています。
接遇力をアップさせていかないとレセプトにも大きく影響を与えると思います。

ではまず、なぜ小売業・サービス業では教育トレーニングをすると接客力が上がるのか?を考えてみましょう。

1.接客力が付けば仕事が面白くなる。
2.自分がどれだけ稼いだのか気になる。
3.店全体の売上動向がどうなのか知りたくなる。
4.次の役職へステップアップしたくなる。

それに店長になるのは嫌ですが、接客は大好きですと言う人がたくさん入ってきます。医療機関では接遇が好きで入りましたという人は少ないでしょう。

また、小売業・サービス業で接客の良い店は、トップが接客上手です。社内、店内で一番の接客のプロです。事業=接客と言ってもよいぐらい客商売に徹底されています。

医療機関では、医療というものが最優先です。それに付属して接遇があるようなイメージです。この位置付けがまず微妙だと思います。

決して接遇が前に出る訳ではないですが、トップやあるいは理事会、経営会議などの場で、接遇の位置付けを見直すべきです。上から意識を変えないと、現場の方だけに押し付けても意味がないです。

一般の企業では全社挙げてという言葉をよく使います。院内全職員が協力して接遇に関して改善して行きましょうという姿勢が必要だと思います。

それに医療に携わっているということは、何かをすればそれが収益につながるという発想は持てないと思います。

逆に、接遇に関しては義務だと感じて職務遂行されるのが良いのではと思います。

接遇の技術的な方法論以上に、あり方をもう一度見直すべきでしょう。その議論がなされないままに、技術を習得するための研修会などを開いてもどうなのかなぁと思います。

医業もサービスの時代と言われるようになりました。院内における接遇の位置付けが大切であり、どう向き合っていくかそこにこれからの医療のヒントがありそうな気がします。