個人のものと会社のものを整理する。
会社への貸し付けなど社長勘定がないこと。これが実質の法人経営の第一歩です。

創業当時からの科目が何らかの理由で残っていませんか?
親族の方に経営権をバトンタッチするにしても会社と個人を整理した上で渡されるのが理想です。先代の負の遺産など、次世代の方にとってはあってほしくないものです。

でも中小企業ではこの創業者勘定や社長勘定というものが決算書の中に潜んでいます。決算が来る度に少しずつ失くして行かないと企業になりません。わかっていてもなかなか整理できないもののようです。

会社の売上規模や従業員数が大きくなり、利益を出す状態になったとしても決算書の中を見ると本当の企業であるかどうかはわかってしまいます。

会社を未来永劫残していくつもりなら、この決算書の中身を早めに整理していくことです。バトンタッチは簡単でも決算書の整理は一気にはできません。

だから決算書をあまり従業員の方に見られたくないという方もおられます。しかし、それでは経営ではないです。透明性を高めるためにも会社と自分のものを分けるべきです。

業績が好調の時は良いですが、業績不振に陥った場合、目に付くのが社長勘定です。銀行からも必ず指摘されます。

自分の恥部だから見られたくないと思わないで、正々堂々と事情を明らかにし、解消して行くべきです。皆、最初から綺麗な決算書にはなっていないです。苦しい時を乗り越えて来た証が必ず残っています。

それは恥部ではなく会社の歴史かもしれません。
だから理想は、決算書の中身を公開し、その会社の歴史について語ることです。厳しい時にどうやって乗り切って来たのかその話をしてあげて欲しいです。

順風満帆に今がある訳では決してないはず。人に言えないような恥ずかしい思いもしてきたはず。

その過程も是非お話されて下さい。
決算書の整理とは、会社の歴史を振り返り、ステップアップすることです。
新年度の会議や発表会などでお話されてはいかがでしょうか?

決算書の整理をしたくなった時、初めて企業経営者になるような気がします。