エルピーダメモリの破綻や、日本が世界に誇る大手家電メーカーの業績の悪化と立て続けに暗いニュースが報道され、行き過ぎた選択と集中が原因だという意見が主流になっている。しかし、家電大手の悲惨な業績は、選択と集中の戦略が間違っているのではなく、ビジネスの動向を見きわめて、市場、製品、対象とする顧客を細分化して、選択と集中の戦略を構築しないと、価格競争に巻き込まれる可能性が高く、大きな痛手を負うことを教えている。それをいち早く認識して、自社の強みを活かせるビジネスに特化した日立は、業績を大幅に改善させている。

同様なことがエルピーダメモリにも言える。得意先を、旧電電グループ企業の枠組みから超越することができず、ひたすら高性能で高品質の製品をより安く製造することに経営資源を投入した。半導体や家電製品のように、かなりの程度まで、コモデティ化がすすんだ商品は、選択と集中を追及して、大きな投資でコストを下げ、さらに良い品質を市場に出すという戦略だと、グローバル市場で苦戦するのが目に見えている。どんなにがんばっても、驚くほど安い人件費で、ものづくりをする国と戦っても、絶対に勝ち目はない。しかも、情報は瞬時に世界をかけめぐる。(To be continued on CBC's website)