2010年 7月の記事一覧

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10年07月26日 09時48分54秒
Posted by: 戦略研究.com
手芸専門店で総合スーパーも運営するキンカ堂が2010年2月に東京地方裁判所に破産を申し立てた。1950年から、服地や衣料品の安売りで、消費者の間で人気の高かったこの小売店の凋落をみると、急成長した中堅企業が経験する戦略上の間違いを見ることができる。手芸専門店として売上を伸ばし、その勢いで取り扱い品目に食料品を追加し、総合スーパーというまったく違うビジネスに進出した。取り扱い品目を増やしたため、ビジネス環境の変化に対応でぎす、それが命取りになって、昔の勢いを二度と取り戻すことなく、ビジネスの世界から消えていった。(To be continued on senryaku-kenkyu's website)(Written by Shigeo Sunahara)
10年07月19日 20時29分31秒
Posted by: 戦略研究.com
日立製作所が、本社デザイン部門で美術系以外の人員を今後5年間で2倍に増やす。心理学や工学の専門人材を重点的に配置して、顧客の利用環境を詳しく分析しデザインや設計に反映できる体制を構築する。商品開発にこのようなアプローチは、ますます重要になってくる。つまりマーケティング開発部の必要性が、特に、大企業に必要になってくる。大企業は、本質的に複雑な仕事を間違いなく遂行することで成り立っている。そのため、仕事を間違いなく遂行できる優秀な人材が必要になってくる。しかし、人材が優秀であればあるほど、消費者との遊離は避けられない。内向きの思考で開発した製品は、消費者の求めるものから、かけ離れたものになる可能性が高い。つまり、ビジネスは効率的であるが、革新的でない状況になる。

市場をみても分かるように、大企業が開発した革新的な商品というのは、案外少ないものである。任天堂のゲーム機に代表されるように、革新的な商品は、アイデア満載の中堅企業から生み出される場合が多い。大企業のように複数の階層から成り立って、すべての階層が一つ上の階層の監督下で仕事をするという構造では革新的なアイデアは生まれにくい。マーケティングの発想で、新商品を開発するというコンセプトは、実現が簡単なようで難しい。マーケティング部と開発部が別組織だと、会議を開くが議会は踊るという事態が続く、スピードが勝負を分けるグローバルビジネスの時代には、議会が踊っている間に、競争相手の企業が新商品を市場に投入したという事態になりかねない。マーケティング開発部が、ますます必要になってくる。(Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)
10年07月12日 09時42分18秒
Posted by: 戦略研究.com
ある著名なインターネット新聞が休刊した。日進月歩の情報技術の進歩に対応できなかったのが直接の原因といえるが、一番大きな問題は高収益体制を構築できていなかったことである。運営費を広告収入だけでまかなうという戦略は非常にリスクが大きい。しかも、記事を書くのがすべてボランティア市民である。会社を小規模で家業として運営できるならいざ知らず、会社の規模が大きくなって事業として運営するには、高収益体制を構築できなければ、市場から淘汰される。大手IT企業が自社の広告宣伝も兼ねて、このような草の根的なビジネスを支援するケースは多い。しかし、それは支援企業の業績が好調なときの話であって、業績が悪化すればそのような約束はたちまち過去の話になる。

無料ソフトの販売で業績を伸ばしているグリーやモバゲーの高収益構造を学ぶべきである。理想だけでは、ビジネスの世界を生き抜くことはできない。個人のウェブならいざ知らず、新聞社という公器になった以上、ボランティアが書いた記事をそのまま掲載することはできない。文章の校正も記事内容の裏づけも必要になってくる。そのための経費が増えていくのは当然である。また、どのような出版物であっても、お客様を呼べる著名人の記事が必要である。出演者がエキストラばかりの映画を見る人はいない。有名な大物俳優が主役で出ているから、その映画がヒットするのである。無料で配信するという理想を追い求めて、結局は休刊ということになれば、それは素人ビジネスだったと評価されるだけで終わってしまう。(Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)
10年07月05日 09時46分56秒
Posted by: 戦略研究.com
政権が変わると、寛大なバラマキ路線から、消費税を2倍にする現実路線に急転回。まるで、昨夜うかれて飲み過ぎたが、一夜明けて現実の厳しさに気がついたサラリーマンのようである。ビジネスでも朝令暮改は当然ありえるが、こんな上下の差の大きい方向転換をしたら、お客様から相手にされなくなる。世の中、至るところにリスクが存在する。どの企業も、いつ顕在化するかわからないリスクを想定しながら、ビジネスをしている。(To be continued on senryaku-kenkyu's website) (Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)
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