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外国人活用で人手不足補う 首相「今夏に方向性」 受け入れ拡大、在留上限が壁

日経新聞

安倍晋三首相は20日、外国人労働者の受け入れ拡大を検討する意向を示した。

製造業や飲食業では実習や留学名目で入国した外国人が産業を支えている。慢性化する人手不足を解消する即戦力として受け入れ拡大の具体策を詰める。

学ぶ建前で訪れた外国人材をなし崩し的に活用している現状を見直す狙いだが、在留の上限が制約になる可能性も残っている。(1面参照)

 首相は経済財政諮問会議で、外国人労働者の受け入れ拡大について「今夏に方向性を示したい」と述べた。茂木敏充経済財政・再生相も記者会見で「介護、建設、運輸、サービスなどそれぞれの分野でどういった能力が最低限必要なのかを洗い出す」と話した。

 新興国への技術協力を目的とする技能実習、留学生のアルバイトを含む資格外活動、スキルのある外国人を即戦力として受け入れる専門・技術分野など複数の在留資格がいまある。首相指示を受けて菅義偉官房長官と上川陽子法相を中心に具体策を詰め、既存の資格のうち専門・技術分野を優先して見直す方向だ。

 経営・管理、医療、技術・人文知識など18種類ある「専門的・技術的分野」の在留資格を人手不足の業種に合わせて増やす道を探る。それぞれの要件も緩めて外国人が働きやすくする。各業界の所管省庁が外国人に頼らざるを得ないことを示せば、その業種を在留資格に加える案が有力だ。早ければ今秋の臨時国会での入管法改正を目指す。

 このほか、農業などは国家戦略特区に限って認めている受け入れを全国に広げる方式を検討。介護では技能実習で国家資格をとった場合は再来日して働けるようにする。

日本の生産年齢人口は1997年を境に減少が続く。政府は女性や高齢者の活躍で、12年からの5年で雇用者を306万人増やしたが、限られたパイの中での底上げには限りがある。外国人の活用は一定程度欠かせないとの危機意識が一連の対応の背景にある。

 ただ首相は受け入れ拡大に条件をつけており20日の会議でも「在留期間の上限を設定し、家族の帯同は認めない」とした。在留の上限は「5年をめど」とする方向で、引き続き単純労働の受け入れは認めない。

永住権も付与しないことで移民政策との批判も避けた。国際的な人材競争のなかで「働く場所として選んでもらえる国」になれるか、なお課題は多い。

 外国人労働者は17年10月末時点で128万人。5年前の68万人から9割近く増えている。なかでも増加が著しいのは留学生と技能実習制度で、外国人労働者に占める比率は4割超。就労を目的として入国していない人たちが雇用の現場を支えている実情がある。

 もともと就労を目的に入国していないため、雇用現場でケアが行き届いていない問題もある。法務省によると、技能実習で入国して失踪した外国人は17年上半期だけで3000人を超えた。実習先企業での人権侵害や、賃金不払いも多い。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの南田あゆみ氏は「日本の技術に海外から憧れがあった時代と違って、門戸を広げてもなかなか来てくれない時代。技能実習生に頼り切っている矛盾を見直して制度を整備する必要があった」と指摘する。

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