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事務派遣、最大3割値上げ「無期」転換で待遇改善

2017年12月1日  日経新聞

パーソルテンプスタッフなど人材派遣大手が相次ぎ一般事務派遣の料金の引き上げに乗り出す。2018年4月から勤続年数が5年超の有期雇用社員の希望者を無期雇用に転換する必要があり、コスト増加分を転嫁し、待遇改善などの原資に充てる。無期雇用に転換する社員について1~3割の値上げを目指す。人手不足の中、一般事務職にまで待遇改善の動きが広がってきた。
改正労働契約法に基づき、18年4月から勤続年数が5年を超える有期雇用の希望者は無期雇用への転換を申し入れできるようになる。

現在の一般事務派遣はほとんどが有期雇用で、契約が終わり新たな派遣先が見つかるまでの待機期間中は派遣会社から給与は支払われない。だが、無期雇用では待機期間中も給与が支払われる。派遣社員にとっては待機期間中でも常に一定の収入が保証され、生活の安定につながる。

マンパワーやアデコは無期転換した派遣社員に交通費も支給する。
勤続期間が5年を超える対象者は4社合計で18年度に最大3万8千人に上る。一般事務などの派遣社員は業界全体で推定60万人強いるとされ、6%に当たる。

働き方改革に対応するために事務処理に人手を確保したい企業は多く、一般事務派遣の需要は拡大している。エン・ジャパンが展開する求人サイトでは一般事務派遣の求人広告件数は17年10月には2年前の15年10月の2倍以上に増えた。平均時給も緩やかな上昇傾向にある。一般事務派遣への新規の就業者も増えているうえ、求められる技術が一段と高度化していることもあり、派遣会社は教育のための費用も増加傾向にある。

4社が法対応を機に、大幅な派遣料金の引き上げを打ち出したのは、人手確保のためのコストが上昇しており、無期転換に伴い、今後発生するコストをすべて自社で負担するのは難しいと判断したためだ。「人手確保が経営課題で、ある程度は受け入れざるを得ない」(都内の中小サービス業)との声もあり、4社は値上げが通りやすい環境にあると見込んでいる。

国内の非正規雇用は約2000万人。労働者全体の約4割に当たる。料金引き上げで得た原資を元に、待遇改善などを通じ人手確保に取り組む動きは、特に人手不足感が強い物流や外食業界で先行するが、一般事務にも波及してきた格好だ。

人材派遣大手10社のうち、値上げを打ち出した4社以外の6社でも18年度に勤続期間が5年を超えるのは最大2万人規模に上る。6社は無期雇用転換を理由にした値上げには今のところ慎重な姿勢で、対応が分かれている。

各社とも対象となる派遣社員が希望すれば地域限定正社員の雇用形態などで無期雇用に転換する方向で就業規則を見直す。パソナは無期雇用の社員を派遣する職種を拡大することで対応する。

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