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リクルート、悲願の「世界大手」入り…2位のパーソルも怒涛の海外進出で 「1兆円企業」へ

文=編集部   Business Journal

 総合人材サービス大手のパーソルホールディングス(旧テンプホールディングス)は、豪州の同業大手、プログラムド・メンテナンス・サービシズを買収する。買収額は691億円の見込み。パーソルのM&A(合併・買収)としては、過去最大規模となる。

 パーソルは豪州子会社を通して、全株式を現金で取得する予定。プログラムドの株主総会の承認を経て、10月以降に買収手続きを進める。完全子会社として連結対象に組み入れる。

 プログラムドは、1951年に塗装サービス会社として創業。その後、設備、機器メンテナンス領域に事業を拡大。2007年、豪州人材サービス会社を経営統合して、この分野に新規参入した。現在、人材サービスと設備や施設のメンテナンスが経営の2本柱だ。17年3月期の連結売上高は2341億円に上る。

 パーソルの海外事業展開は、同業他社に比べて遅い。10年に米国ミシガン州のケリーサービスと業務提携したのが最初だ。12年に合弁会社を設立して、中国、香港、韓国、台湾の4カ国・地域で仕事を始めた。16年7月にシンガポールにケリーサービスと合弁会社をつくり、シンガポール、マレーシア・インドネシア、タイにエリアを広げてきた。現在は13カ国地域で採用支援や人材派遣を手掛ける。

 それ以来、海外事業は着実に拡大してきた。17年3月期の海外事業の売上高は371億円で、全社売上高(5919億円)の6.3%を占める。18年3月期は、アジア地域が通期で加わるため前期比70%増の631億円を見込んでおり、海外事業の構成比は9.3%に高まる。それに加えて今回、豪州に翼を広げる。プログラムドの買収によって、来期には2300億円程度の売り上げが海外事業に上乗せされる。

 世界の人材派遣市場は40兆円で、アジア・オセアニア地域はその10%に当たる4兆円程度。パーソルは、20年までに人材サービスで、アジア太平洋地域のナンバーワンを目指すとしている。

 パーソルにとって、豪州は特別な意味を持つ。創業者で名誉会長の篠原欣子氏が人材派遣というサービスの存在を知ったのが豪州だった。1971年に豪州の市場調査会社に社長秘書として就職し、73年に退職。帰国した篠原氏は、豪州の人材派遣業をヒントにテンプスタッフを創業した。つまり、豪州はパーソルのルーツといえるのだ。

 その後、2015年3月にはパナソニックエクセルスタッフを169億円で買収。さらに合弁形式で、アジアを舞台に攻勢をかけてきた。

 13年4月、人材紹介に強く、求人広告「an」、転職情報「DODA」を持つインテリジェンス(現パーソルキャリア)を680億円で買収したが、これが飛躍台になった。首位を独走するリクルートホールディングスを追撃する体制を整えた。

2020年、売上高1兆円が視野に

 パーソルの株価は上昇基調だ。9月21日の株価は2484円の年初来高値を付けた。年初来安値は1月4日の1818円。大型買収をすると、財務内容の悪化を懸念して株価は下落するものだが、逆に上昇した。15年10月の3分割を考慮すると、現在の株価は10年来の最高値を更新したことになる。

 国内の好調さが株価を押し上げているとアナリストはみている。17年4~6月期連結決算の売上高は、前年同期比18%増の1618億円、営業利益は2%減の91億円、純利益は13%減の54億円だった。減益になったのは、社名変更に伴い、前年同期にほとんどかけなかった広告宣伝費を増やしたためだ。また、新卒採用を増やしたことで人件費がかさんだ。

 主力の人材サービス事業は順調だ。人手不足を追い風に、転職サイト「DODA」の求人広告の件数が増えたほか、転職仲介も伸びて手数料収入が増加している。

 18年3月期(通期)の連結業績の売上高は前期比14%増の6773億円、営業利益は8%増の360億円、純利益は25%増の222億円を見込んでいる。

 当初の計画では、20年に売上高7500億円、営業利益450億円の目標を立てていた。ケリーとの合弁会社が軌道に乗り、プログラムドの業績が加われば、20年に売上高1兆円も視野に入ってくる。

 ライバルのリクルートは、18年3月期の連結決算(国際会計基準)の売上高にあたる売上収益が前期比7%増の2兆840億円と、初の2兆円の大台に乗りそうだ。牽引するのは、海外の人材派遣事業だ。17年3月期の海外事業の売上収益は6052億円。16年に1800億円で買収したオランダの人材派遣会社USGピープルが通年で貢献すると、7600億円になる。20年に海外人材派遣事業収入、1兆円が射程に入る。

 国内の人手不足を追い風に、業界首位のリクルートは世界大手の一角を狙う。一方、業界2位のパーソルは、本気でアジアナンバーワンになるつもりだ。
(文=編集部)

ニュースサイトで読む: http://biz-journal.jp/2017/10/post_20778_2.html

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