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トヨタ、裁量労働を実質拡大 一定の「残業代」保証

2017/8/2 日経新聞

日経新聞 

 トヨタ自動車は自由な働き方を認める裁量労働の対象を広げる方針を決めた。法律が定める裁量労働制の業務よりも幅広い事務職や技術職の係長クラスを対象とする新制度案を労働組合に提示。残業時間に関係なく毎月45時間分の手当を支給するほか月45時間を超えた分の残業代も支払う。政府で議論が進む「脱時間給」の要素を現行法の枠内で先取りする。


 自動車産業では自動運転分野などで米グーグルなど異業種との競争が激しくなっている。仕事のメリハリをつけて創造性と生産性を高める必要があると判断した。専門性の高い技術者の間では一律の時間管理の弊害を指摘する声が出ていた。

 1日までに組合に制度案を提示しており、同意を得て12月の実施を目指す。国内大手自動車メーカーでこうした制度の導入は初めてとみられる。

 対象は事務や研究開発に携わる主に30代の係長クラス(主任級)の総合職約7800人。非管理職全体の半数で新人など若手社員は除く。本人が申請し会社が承認する。トヨタは既に裁量労働制を導入しているが、主任級では約1700人にとどまっていた。

 新制度では残業時間に関係なく月17万円(45時間分の残業代に相当)を支給する。月17万円の支給額は一般的な主任職の裁量労働手当の約1.5倍。過去の人事・給与体系の移行措置で残った調整給などを原資に充てるもようだが、対象者が想定を上回ると人件費が増える可能性もある。

 一般的に残業代を追加支給しない裁量労働制とは違い、新制度は会社が勤務実績を把握し月45時間を超えた分も支払う。所定労働時間を守っていれば週に2時間以上出社すればよく、在宅勤務も可能だ。

 過重労働を防ぐため、健康管理にも配慮する。対象者には夏季休暇や年末年始などの連休以外にも平日に5日連続の休暇取得を義務付ける。未達成の場合は翌年から対象から外れる。残業時間が一定水準を超えた場合は健康診断も受けさせる。

 労働基準法では労働時間を1日8時間、週40時間と定めている。トヨタは労使で結んだ「36(サブロク)協定」で残業を認めている。原則「月45時間、年360時間まで」だが、繁忙期の超過を認める特別条項付きの36協定を結んでおり、新制度はこの範囲で運用する。

 新制度では上司が対象者に時間の使い方の権限を移す。繁忙期に備え残業の上限時間を月80時間、年540時間に広げる方向で組合と議論する。

 政府は今秋の臨時国会に「脱時間給制度」を盛り込んだ法案を提出する方向。ただ年収1075万円以上の金融ディーラーなどが対象で、トヨタ社員は対象者が限られるとみられ、製造業にあった独自の制度を導入することにした。

 時間に縛られない働き方ではネスレ日本が4月に工場以外の社員を対象に労働時間で評価する仕組みを原則撤廃。住友電気工業は4月に研究開発部門で裁量労働制を導入した。ただ全体で見ればこうした動きは限られている。脱時間給を先取りする動きがほかの企業に波及する可能性もある。

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※法律上の裁量労働制というよりもみなし残業制度と在宅勤務、フレックス等を足して割ったような制度化と思われます。

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