事務職派遣の時給が上昇、専門知識必要な分野が寄与

2017/6/28
日経新聞 nikkei.png


事務職派遣社員の時給上昇が続いている。人事やマーケティングなど専門知識が必要な分野の補充人員としてニーズが高い。企業の働き方改革の取り組みで一般事務職求人も増えてきた。受け入れ企業の人件費負担がさらに拡大しそうだ。
 派遣求人広告大手のエン・ジャパンが運営する求人サイト「エン派遣」に掲載した5月の募集時平均時給は1529円と、前年同月から1.7%上昇し過去最高となった。リクルートジョブズが運営する「リクナビ派遣」を含めた大手派遣求人サイトの登録案件でも、この3年間で3~5%程度高くなった。

 専門的な事務能力が必要な分野で需要が伸びている。パソナは単純なエクセル操作など処理業務を自動化するシステム「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」の利用で作業を効率化。派遣先にも活用を促す。
 このシステムの指令・調整は専門の派遣スタッフが担う。仕事に応じてどの機能を使うか、経験で培われた判断が必要になる。同社の平均的な事務職と比べて時給が400円以上高い人も出ている。

 金額でIT(情報技術)系専門職と肩を並べる。パソナの佐藤スコット社長は「事務分野はいまや専門職としての位置付け」と言い切る。

 テンプスタッフは書類作成などで専門知識が必要な貿易事務のスキルに注目。「メーカーの輸出好調で人材ニーズが高い」(同社)ためスタッフ研修を強化した。実際、ある自動車部品メーカーで平均より150~200円程度高い時給で採用されるなど、成果も出ている。

 リクルートスタッフィング(東京・中央)は内部監査や人事企画など専門分野の派遣サービスを展開。時給が3000円を超える案件も持ち込まれている。

 現場の生産性を高める「働き方改革」も、ここ1年ほどで事務職派遣のニーズを押し上げている。単純な作業を派遣社員に切り出す動きが広がっている。

 エン・ジャパンの求人サイトではデータ入力の案件の多さが目立つ。派遣社員と並ぶ引き受け手のアルバイトの時給も上がり、人手の確保には金額の引き上げが必要だ。

 日本人材派遣協会(東京・港)によると事務職で働く派遣スタッフは全国に約43万人。派遣全体の3割を占め職種別で最も多い。2018年4月から一部の派遣社員が無期雇用契約に切り替わる。派遣料金の上乗せが見込まれ、時給のさらなる押し上げ圧力となりそうだ。

―――――――――――
人材ビジネス専門コンサルティング
株式会社ソリューションアンドパートナーズ
http://www.sap-c.co.jp


sap.gif