■「変革」とは

世の中は、ドンドン変化して行きますので、
個人も企業もギャップを認識して、
変革して行く必要があるのです。

「変革」について、タナベ経営は
   自分を変え
   やり方を変え
   リズムを変えよう
と言っています。

多くの場合、「やり方」を変える事がキーポイントなのですが、
その「やり方」には、4段階があるのです。

つまり、
1)改善(マイナー・チェンジ)
2)改革(フル・モデル・チェンジ)
3)革新(新基軸の新車種投入)
4)変革(既存車種の再編成)
という4段階なのです。

●トヨタのマークXという乗用車がありますが、
・Xシーターという4人乗りセダン
・3列シート化で6〜7人乗りワゴン
という2つの新基軸を打ち出した「Zio」という
派生型の新車種を発売しました。

この「Zio」は、3)の「革新」に当ります。

マークXは、セダン離れの中で販売が苦戦していると聞いています。

その苦戦を打破する「戦略」として、
2つの新基軸で新しい客層に迫ろうとする「Zio」を打ち出したのです。

クルマ需要にも構造変化が起こっていて、
・若者層は、ミニバンや軽自動車
・金持ち層は、高級セダン、外車化
という2つの大きな潮流があり、
「マークX」は、どちらの「潮流」にも属さない
カテゴリーになっていたのです。

「Zio」は、普段はセダンだが、時には、2世代で7人乗りという
どちらかと言うとシルバー層向けの多用途車であります。

私は、マンション住まいで立体駐車場という環境なので、
7人乗りと言うと車高制限の為にミニバンはムリな状況であります。

そういう人にピッタリの新基軸のクルマとして注目できると思います。

「革新」と「変革」は、区別するのは困難なのですが、
私は、「変革」=「革新」+「統廃合」と定義しています。

同じく「トヨタ」を例にあげますと
●「ネッツ店」が「変革」にあたります。

まず、トヨタは、1968年にスタートした「トヨタオート○○」を
アルテッツァやヴィッツという若者受けする戦略車種を開発して、
1998年8月に「ネッツトヨタ○○」と改称して、
若者をターゲットするコンセプトの展開に取り組みました。

ついで、この実績を踏まえて、
2004年5月に「トヨタビスタ○○」を販売網再編の一環として
「ネッツトヨタ○○」に統合して2系列を1つに統合しました。

少子高齢化時代を見据えた素晴らしい戦略だったのですが、
ひとつトヨタの誤算がありました。

それは、経営が地元資本なので、
道路を挟んで同じネッツ店が向き合うという光景が今なお残っていて、
トヨタが目論んだ統廃合は思うように進んでいないのです。

この結果、次に予定していた、
トヨタ店とトヨペット店およびカローラ店の統合は頓挫して、
新規に創ったレクサス店への布石が機能しなくなって、
チャネル戦略があまり機能していないのです。

このように、「変革」する事は、トヨタですら難しい課題なのです。

反面、日産は、ゴーン変革で、
まず、ブルーステージ店とレッドステージ店と2つに統廃合して、
次に、どちらのチャネルも日産車を全車種取り扱うようにする
と2段階のチャネル戦略を実施しました。

日産の再編成は、時間が経つほどに機能して、
ブルーステージ店とレッドステージ店が道路を挟んで向き合う
という光景は徐々に無くなって来ています。

ネッツトヨタの統合では、店舗が向き合って競う状況が残っていて、
日産の場合は、比較的スムーズに統廃合が進んでいるのは、、
販売店の経営が、トヨタは地元資本だが、日産は直営化が進んでいる
という相違点にあります。

●このネッツトヨタ各店の経営意欲の大きさが、
直営化した日産などの他社の状況とは決定的な相違点となっています。

「うらやましい限り」という状況ですが、
それは、ネッツトヨタの取扱車種群が
若い人向けの新しいコンセプトの車種に絞っていて、
それらを2系列で販売しても経営が成り立つほどの商品力を持っている
という事を物語っています。

「閑話休題」

1)の改善と2)の改革については、
ちょっとした工夫で実施するのは「改善」であり、
大きく「やり方」を変える場合(レイアウト変更など)は、
「改革」と考えています。

PDCA管理されている会社では、毎月、その中間報告などで、
「気づき」として提案されて来るのが「改善」なのです。

このちょっと「改善」というものでも
○自分で工夫した場合は、比較的継続しやすいが
●他人が工夫し、押し付けられたものは「馴染み」にくい
という相違があります。

「改善」のキーポイントは、「人」を巻き込むという事です。

【押し付けられたものは「馴染み」にくい】
を踏まえて、リーダーは「腑に落ちる」ような言動で
迫って行くことがポイントなのです。


■「改善」x「システム

私は、「改善」x「システム」という視点で
コンサルティングをしていますが、
何故、「改善」が先においているには、理由があるのです。

本質的に、「システム」は、新しい技術や考え方を取り入れるので、
「革新」という面が強いものです。

例えば、グループウエアというソフトがありますが、
活用次第では、物凄い利用価値を生むものなのです。

ところが、多くの場合、スケジュールや報告という機能を活用する
というレベルで終わっているケースが多いのです。

しかも、スケジュール管理も形骸化して、退行しているのです。

これでは、新しい技術や考え方を導入したと評価できないのです。

「報連相」には、
●タテ軸として、経営者、管理職、現場という階層があり、
●ヨコ軸には、各部門、協力業者という広がりがある
という課題があります。

これらの課題をグループウエアという新しい技術・考え方で解決しよう
と企てるのですが、
どうしても「押し付け」なので馴染みにくい
という根本的な問題が生じるのです。

どちらの企業でも「とりあえず」ということで
スケジュール管理や報告というものを利用することでスタートするのですが、
タテ軸の中で、経営者や管理職がグループウエアに馴染まないので、
「報告のための報告」状態になって行くのです。

また、ヨコ軸も権限管理などで他人のスケジュールが見れないや、
プロジェクト化した場合、協力業者をグループウエアに入れにくい
という課題点も沢山残っていました。

ついには、グループウエア自体が報告だけの機能になってしまうのです。

●【PDCAのサイクルを回す】
は、タテ軸の経営者や管理職は,その重要性をよく理解しているのですが、
折角のツールである「グループウエア」を「馴染まない」という理由で
活用できていないのが実情です。

私は、最近のグループウエアはASP化されていますので、
外部からでも入り込めるという利点を活かして、
進み具合をウオッチングして、
定期的の警鐘を鳴らしたり、新しい取り組みを提案する
という指導が出来るのです。

さらに、最近のASP化されたグループウエアは、
●携帯電話を端末として活用できるものが出ていて、
営業はじめ外出する人もケータイで利用して最新の情報を更新する
という点や、
協力業者にも臨時でアクセスできるようにすれば、
社内と同等な運用が可能になり、
写真を添付した報告などを即時に送信されるので、
精度の高い「報連相」が可能になっています。


■デジタル・デバイド

「格差社会」と叫ばれており、極端には、勝ち組と貧困と呼ばれる位に
ギャップが広がっています。

日本経済は、まだまだ少子高齢化が続くので、
政府がいろんな策を出しても限界があり、今後も、
少数のグローバルな動きを出来る勝ち組企業と
大多数を占めるローカル&ファミリー構造の「貧困」化する中小企業
とに分化して行くと考えます。

この分化に拍車をかけるのが「デジタル・デバイド」なのです。

先ほどのグループウエアもASP化されて、
インターネットを活用してローコストで利用する時代になり、
しかも、ケータイも含んでおり、応用範囲が拡大する時代になっています。

Web2.0の時代と言われていますが、「脱デジタル・デバイド」に
ASP化されたソフトを活用するのもその1つであると言えます。

ASPは、Application Service Provider の頭文字であり、
ソフトを購入するのではなく、インターネットを利用して、
月額で借りる方式を指します。

このように「ソフト」は、ドンドンASP化しており、
インターネットを経由して、ユニークなサービスが提供されているのです。

しかし、「馴染む」や「拡大する」というキーワードでは、
ASP化して導入しやすくなっているのですが、
その反面、「デジタル・デバイド」という言葉が示すように
運用面で支障をきたす人が多いのも事実であり、
そのギャップを埋めるのに多大なエネルギーが必要となっているのです。

経営コンサルタントも「デジタル・デバイド」では、
不十分な時代が到来しているのです。

私は、サラリーマン時代の経験を活かして「改善」x「システム」で
お客様の「デジタル・デバイド」を解消しながら、
Web2.0時代の運用やビジネス・モデル構築の指導&アウトソーシングで
貢献して行きたいと思っています。


■まとめ

・「変革」「自分を変え やり方を変え リズムを変えよう」
 タナベ経営
 
・1)改善(マイナー・チェンジ)
 2)改革(フル・モデル・チェンジ)
 3)革新(新基軸の新車種投入)
 4)変革(既存車種の再編成)

・「報連相」には、
●タテ軸として、経営者、管理職、現場という階層があり、
●ヨコ軸には、各部門、協力業者という広がりがある
という課題がある。

・Web2.0時代・・ASP化されたソフトを活用する

・「デジタル・デバイド」が本当の意味で格差を拡げる