2月28日の毎日新聞の朝刊くらしナビの欄に、「管理組合の資質」
として、新狭山ハイツ(埼玉県狭山市)のことを取り上げていた。

 それは、5階建て、32棟の団地で築36年~37年だそうだ。管理
組合では、「立て替えずに70年」を目標に大規模修繕を行っているそ
うだ。そろそろ建替えを考えると大規模修繕をせずに、建替え費用に残
すべきだという意見が出てきてもおかしくない。

 しかし、自分達で考えて、大規模修繕をすることにしたそうだ。

 築40年を過ぎると、建替えの話しがどこからともなく出てくる。管
理組合がしっかりしていないと、建築業者などが持ってくる建替えに安
易に乗ってしまう。

 鉄筋コンクリート造りの場合、しっかりと手当てをすれば、70年ど
ころか、100年は持つといわれている。それを40年そこそこで取り
壊して建て替えるなんて無駄そのものだ。

 エレベーター付きの高層マンションにして、快適なマンションライフ
ができる。戸数を増加して販売すれば、その費用で新築費用の一部にで
きる、というのが、業者の殺し文句だ。

 過去に建替えたマンションで、本当に建替えが成功したという例はあ
まり聞いたことがない。

 建替えたものの、元の住民の数パーセントしか帰ってきていないとい
う例は多い。これで成功とは言えない。

 戸数を増やしたものの、それが売れずに残っており、マンションの住
民達が自分のマンションのみならず、残ったマンションのローンの支払
いに苦しんでいるという例もある。

 新築マンションの販売で売れ残ると、販売業者がその損失を負担する
が、建替えの場合には、マンションの住民達が損失を負担する。建設会
社にとってはおいしい話しだ。このへんもちゃんと建替え前に調べて覚
悟を決めなければならない。

 おいしい話しだけを鵜呑みにしないことだ。2~3年引っ越して帰っ
てくることはかなりの負担だということも考えなければならない。

 新狭山ハイツは、専有部分の給配水管の取り替えも修繕積立金を当て
たそうだ。これも集会の決議をすれば可能であり、注目に値する。今後
の高経年マンションのモデルとして注目したい。

 ※一般社団法人エースマンション管理士協会のホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/

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