マンションの管理会社について「どこの会社が良いか」、ということを苦情を交
えて聞かれることがある。
 
 管理会社に対する苦情として、会社の担当社員(フロント)が頼りないとか、管
理人が気に食わないとか、そういう表面的なことだけではなく、様々である。それ
は、新しくマンションの役員になった人たちから特に出てくる。

 マンションの管理を業務として行う場合、国土交通省に登録をしなければならな
いとされ、この登録(有効期間は5年)を受けない者は、マンション管理業を行っ
てはならないとされている。したがって、管理会社としてそれなりの信用できる体
制はできている。

 会社が大きければ良いというものではない。小さいから信用できないというもの
でもない。
 全国展開している会社もあれば、地域限定の会社もある。そういうことで管理会
社の良し悪しを判断できない。

 同じ会社でも、管理組合の役員から苦情を言われるところとそうでないところが
ある。だから、あの会社だから良いとか悪いとかいうことは言えない。

 良く言われるのは、同じ会社でも、良い管理と悪い管理があるということである。
それは管理組合、つまり、その役員が管理についてしっかりと勉強して、管理につ
いて関心を持っているかどうかで、管理会社の対応が異なってくるということであ
る。

 管理組合の役員が、ちゃんと役目を果たして管理について管理会社と話し合って
いれば、管理会社はいい加減な管理はできない。そういうところの管理組合の場合、
管理がうまくいっているので、新しい役員からの管理会社に対する苦情は少ない。

 しかし、前の役員が管理について管理会社に任せきりで、管理について全く関心
がないところは、いい加減な管理が多く、新しい役員からの苦情が多いということ
だ。
 新しい役員が管理について真剣に考えれば考えるほど、苦情が出てくる。

 管理会社は、マンションの管理のプロだから、管理組合の役員が管理について関
心があろうがなかろうが、ちゃんとした管理をすべきだと思われるかも知れい。そ
れが、信頼関係を基礎にした委任契約ではないのかと。

 しかし、そういうものではない。管理組合と管理会社は対等な契約関係にある。
信頼関係に基礎をおくというのは、相手を無条件に信頼すればよいということでは
ない。相手が信頼できなくなれば、何時でも契約関係を断ち切れるという意味だ。

 信頼関係は、その費用に見合う管理をしっかりやっているかどうかを見極めて、
相手と十分話し合うことによって生まれる。その信頼関係が揺らげば、契約を何時
でも解消できるというのが、委任契約だ。

 管理会社の良し悪しは一概に言えないが、管理の良し悪しは良くあることだ。そ
れは管理組合、ひいてはその役員の良し悪しにかかってくるということを肝に銘じ
てほしい。

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