マンションの役員になると、いろいろな工事や
 大規模修繕などで、建設工事会社との付き合い
 がある。管理会社に管理を任せきりにするにして
 も、工事会社の名前は知るはずだ。

  工事会社も大小いろいろある。名前の通った大
 きな会社に工事をまかせれば、大丈夫だと思って
 いませんか。

  大きな工事会社といっても、そこの社員が工事
 をやっているわけではない。実際の工事をするの
 は、下請けや孫請けの小さな会社や個人がやっ
 ているのだ。

  ただ、大きな会社は自分とこの社員を現場監督
 として工事現場に派遣している。そして、工事が実
 際の設計どおりになされているかを、監理している
 わけだ。
  この工事の監督・監理がちゃんとなされているか
 が重要だ。

  下請けや孫請けは、一つの現場だけではなく、
 複数の現場を掛け持ちしている場合が多い。この
 ような場合、なるべく、工事を早く切り上げるのが
 利益を上げるこつなのだ。掛け持ちしていない場
 合でも、工事を早く切り上げて、次の仕事に移り
 たいと思う。

  そこで、現場監督がしっかり工事を監督して、
 設計どおりになされているか、日程もちゃんと守
 られているのかのチェックする必要がある。

  例えば、コンクリートを打ち込む場合、一定の期
 間をおいてから、つまり、ちゃんとコンクリートが固
 まってから次の工事にかかる必要がある。下請け
 孫請けは、一日でも早く切り上げたいから、どうし
 ても、次の工程に早く取り掛かりたくなるのだ。そ
 ういうときに、現場監督がしっかりしていれば、そ
 ういうことを許さない。

  中には元受の大きな会社でも、工期の関係で
 ついついこれを許すこともある。元受にとっても、
 工期が長引けば、利益は減る。しかし、雨で工事
 が中断して工事が長引いても、次の工期との期
 間をきっちり守らなければならないときもある。

  名のある会社はそういう点で信用があるから、
 工事代金もそこそ高く取れる。しかし、大きな会社
 でも、一級建築士の資格を取ったばかりのたより
 ない社員が現場監督として来て、工事現場の下
 請け孫請けの職人たちににばかにされているこ
 ともよくある。

  要は、設計と工事監理がしっかりなされることが
 重要なのだ。だから、しっかりした設計事務所に
 工事の設計をしてもらい、工事の監理・監督をして
 もらえば、何でもかんでも大きな会社に仕事を依頼
 する必要はないということだ。実際に工事をするの
 は、どっちみち小さな会社や個人だから。

  もちろん、工事の性質によっては、ゼネコンなど
 に頼むしかないこともあるが。

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