2010年 2月の記事一覧

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10年02月24日 21時04分48秒
Posted by: mansyonkanrisi
 神戸市の男が無登録営業と業務上横領の容疑で書類送検された。無登録営業での
送検は初めてのようだ。

 マンション管理の適正化の推進に関する法律(適正化法)によると、マンション
管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録
を受けなければならないとされている(適正化法44条1項)。

 登録をし、国土交通大臣が監督できるようにすることによって、マンション管理
業の信用を確保しようとするものである。この登録を受けないものは、マンション
管理業を行ってはならないとされる(適正化法53条)。

 無登録でマンション管理業を行うと、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が
科される(適正化法106条2号)。

 業務上横領でも送検されているが、刑罰は業務上横領の方がはるかに重い。刑
法253条によると、10年以下の懲役を科することになっている。

 新聞(朝日新聞2月23日朝刊)等に取り上げられているのは、適正化法の違反
(無登録営業の他、多くの犯罪が規定されている)で、初めての送検だからであ
ろう。

 この記事の背後には、このような無登録の者に依頼した管理組合の理事の責任
(管理組合への民事上の責任)があることに注意すべきである。

 管理組合が管理業者に管理を依頼する場合、業者から重要事項の説明等を受け
る。このようなちゃんとした手続きを経て契約(管理委託契約)をすれば、無登
録であることが判明するはずである。

 こういう当たり前の手続きもなしに管理委託契約をしたのであろうか。

 無登録営業というのは、単なる形式犯であるが、本件では、約2,000万円の業
務上横領があり、管理組合に損害が発生している。この点について、理事達が善
管注意義務を怠ったと認定されれば、損害賠償責任(管理組合に対して)が発生
するのである。

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10年02月18日 19時06分45秒
Posted by: mansyonkanrisi
 マンションの管理組合が大規模修繕を実施しようとする場合、理事会の諮問機関
として修繕委員会を立ち上げることが多くなった。大変結構なことで、是非設置す
べきものである。

 その委員の構成については、専門家を入れたり、女性を必ず入れたりとそれぞれ
工夫を凝らしている。また、工事会社などと利害関係を持っている人については、
議決権を認めないとかの細則もある。

 しかし、ここで一番大切なことを見落としている場合がある。修繕委員会が管
理会社からの指導なり助言を受けているということである。単なる指導・助言で
あれば問題はない。

 ところが、管理会社の助言により、「わざわざ工事のコンサルである建築士を
選んで工事監理を依頼すると、その分費用がかさみ無駄である。」として、管理
会社主導で工事の設計書を作り、工事の見積もりまで作ってもらっているのであ
る。

 このように管理会社主導で大規模修繕が進められているのは、全国のマンショ
ンの半数以上だということを管理会社の担当者から聞いて、これでも良いと納得
している修繕委員もいる。

 しかし、これなどは、管理組合の無知に乗じて今までなされたものであり、こ
れからは、管理会社主導の大規模修繕は激減するものと思われる。

 公平・中立のコンサル(マンションの修繕を専門にする建築士)を入れて、建
物の(劣化)診断→工事設計書の作成→見積もり要綱の作成→工事業者の選定→
工事の監理という手順を踏む必要がある。この流れをコンサルの助けを借りて進
めるのだ。

 特に第一回目の大規模修繕においては、施工時の欠陥がないか等の徹底的な診
断が必要であり、第一回目の大規模修繕でマンションは真に完成すると言われて
いる。

 もし施工時の欠陥があれば、建築業者に申し入れて工事の補修をしてもらう必
要がある。ちゃんとした建設業者であれば、例え、法的に担保責任の期間(10年)
が経過していても、無料で補修工事をする場合が多いという。

 このような大規模修繕を管理会社主導で進めるなどということはあってはなら
ない。もちろん工事の入札の参加は、管理会社というだけで排除する必要はない
が。

 マンションを建設した系列の管理会社であれば、建設時の工事の欠陥など明ら
かにするはずがないし、そうでなくても、管理組合の台所時事情を熟知した管理
会社は、修繕積立金のぎりぎりの範囲で工事をしたがる傾向にある。

 次の大規模修繕まで管理会社でいられる保証がないから、この際、修繕積立金
を全部使い切ってしまおうと思っている節がある?

 大規模修繕は10年又は10数年ごとに繰り返し行われるものであり、長期的な展
望に立ってその計画を立てる必要がある。信頼できるコンサルを得れば、長期修
繕計画書の作成等を依頼して修繕積立金が今後これでいいのか相談できる。また、
その後のマンションの不具合を見てもらうホームドクターとして活用できる。

 だから、修繕委員の方々に言いたいのは、まず、中立・公平で優秀なコンサル
を選ぶのが第一番だということである。これさえ決まれば、大規模修繕はほとん
ど成功する。工事が適切に行われ、費用の無駄もなくなり、結局は安くつくとい
うことを知るべきである。

 これをどうして選ぶかであるが、各公的機関に相談に行くとか、各種の相談会
に行って情報を収集することである。これが修繕委員の一番大事な仕事である。

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10年02月14日 20時44分39秒
Posted by: mansyonkanrisi
 昨年は太宰治の生誕百年ということで、若い人たちに太宰治ブームが起こった。
私も若いときに太宰治の小説をよく読んだので、「人間失格」を読んでみた。と
ころが、若いときとは違いはじめから最後まで退屈だった。

 そこで、「斜陽」を読んでみて退屈だったら、以後太宰治はやめにしようと思
っていた。

 先日、読んでみたら退屈ではなかった。楽しみながら読めた。人間失格との違
いは感覚的なものだ。その違いはどうでも良い。読んでいて楽しければそれで良
い。高尚な文学論など分かるはずもなく、どうでも良い。

 これからまた、太宰をぼちぼち読んでみようと思う。そう思うだけで人生の楽
しみが一つ増えた気持ちになる。

 ところで、「人間失格」は今年映画化されて、もうすぐ公開される。見るかど
うか迷っている。小説より映画の方がずっと良かったということが、過去に何べ
んもあったからだ。

 映画と言えば「アバター」を3Dで見ることを薦める。映画の中身より3Dの技
術とその迫力は凄い。年配の方は冥土の土産に是非見てほしい。これを見ずして
あの世に逝くと一生後悔するぞ。

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10年02月03日 20時13分45秒
Posted by: mansyonkanrisi
 新築の住宅の着工は、前年まで100万戸を超えていたが、昨年は約28%減の約
79万戸となった。特に分譲マンションにおいては前年比58%も減少し、約7万7千
戸となって統計を取り始めた85年以来最低の水準だそうだ(国土交通省発表。朝
日新聞1月30日朝刊参照)。

 これに比べ中古・リホームは活況のようだ。

 過去に何べんもこのブログで指摘したように、日本の住宅市場は新築を中心に
していた。それは景気対策の一環として推進された。確かに新築住宅には、家電
製品・家具製品その他周辺の業者にも影響が及び、景気対策としては手っ取り早
い政策であった。

 しかし、日本の住宅はマンションも含め数百万戸も余っているといわれている。
その余っている住宅をリホーム等して市場に出す政策が必要だ。中古・リホーム
が活況ということは、ようやく目が覚めたかという感じだ。

 この度、住宅版エコポイントの制度が法制化された。断熱性を高める改修や省
エネ仕様の新築住宅にポイント(1ポイント1円分)を与える。新築は30万ポイント、
リホームは上限15万ポイントで、窓・外壁などが対象。同時にバリアフリー改修
をすれば最大5万ポイント加算する。

 益々中古市場が活発になることを期待したい。サラリーマンがはじめから高い
新築の住宅に手を出して支払い不能に陥っている。中古のマンションは新築の
6.7割で手に入る。もういい加減新築神話から脱却しよう。

 現政権が中古・リホームに重点を置いた政策をすすめると明言している。遅
きに失した感もあるが、期待したい。

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