2010年 1月の記事一覧

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10年01月29日 19時12分58秒
Posted by: mansyonkanrisi
 マンション標準管理組合規約では、管理組合の役員は、マンションに居住する組
合員(区分所有者)から選任するとある。それに従って多くのマンションにおいて
同じような規約を定めている。

 そういうマンションにおいては、不在区分所有者(多くは賃貸所有者)は役員を
免れている。居住者の高齢化とともに賃貸部屋の増加が管理組合の役員のなり手不
足として問題になっているところである。

 そこで、役員に報酬を支払うことによって、役員を免れている区分所有者との公
平を図っているマンションもある。

 また、役員を免れている不在区分所有者に対して、「管理協力金」等の名目で、
管理費等以外に金銭の支払いを定めて公平を図っているマンションもある。

 1月26日にこの点に関する初めての最高裁判所の判決があった(1月27日の
朝日新聞の朝刊に記事が載っている。また、最高裁判所のホームページに判決
全文<8ページ>が記載されている)。

 大阪市北区のマンションにおいて、総会の決議で管理規約及び細則を変更し、
不在組合員は、1戸あたり月額5,000円(裁判所から2,500円とする和解案があ
ったので、遡及して2,500円とする規約及び細則を変更した)の「協力金」(後に
「住民活動協力金」と名称変更した)を支払わなければならないとされた。

 これに対して一部の不在区分所有者が支払いを拒否したため、訴訟になった。

 大阪高裁は、このマンションでは役員にその活動に応じた必要経費と報酬を支
払っていることを考慮して、役員の不公平感がこれによって補填されること。不
在組合員であるために必要とされる印刷代や通信費程度ならともかく、その全額
を不在組合員のみに(居住している区分所有者の中にも役員活動に消極的な者や
高齢のためこれに参加することが事実上困難な者がいる)負担させるべき合理的
な根拠がない。よって、区分所有法31条1項後段の「特別の影響」にあたりその
承諾がない限り無効とした。

 しかし、①マンションの規模が大きいこと。②不在組合員の割合が多いこと
(868戸中約170戸ないし180戸が不在組合員)。③不在組合員は役員を免れる
だけでなく、管理組合活動について日常的な労務の提供などにも貢献していな
いこと。④たしかに、居住している区分所有者の中にも役員活動に消極的な者
や高齢のためこれに参加することが事実上困難な者がいて、これらの者に何ら
かの金銭的な負担を求めることについては検討の余地がありうるとしても、そ
れによって不在組合員のみに金銭の負担を求めても合理性がないとはいえない
こと。
 また、⑤管理組合の活動は、役員のみによって担われているものではなく、
不在組合員と居住組合員との間の不公平が、役員に対する報酬の支払いによっ
てすべて補填されるものではないこと。⑥支払いを拒否している者は12戸を有
する5名にすぎないこと。⑦「住民活動協力金」は、管理費等17,500円(管理
費8,500円、修繕積立金9,000円)の約15%(2,500円)にすぎないこと。
 などを理由に、最高裁は、「特別の影響」に当たらないとし、原判決(大阪
高裁の判決)を破棄し、規約及び細則の変更を有効とした第一審(大阪地裁)判
決を正当とした。

 今後は、マンションの規模、不在区分所有者の割合等を考慮して、「協力金」
の額をどの程度にするのが妥当か、が問題になるものと思われる。

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10年01月21日 20時27分11秒
Posted by: mansyonkanrisi
 マンションの管理を管理業者に委託せず、管理組合が自主的に管理しているマン
ションは、10%に満たない。大部分のマンションにおいて、全部又は一部の管理を
管理業者に委託している。

 多くのマンションにおいて、その管理の全てを管理会社任せにしている状態であ
る。管理業者に業務を委託している管理組合のうち、約83%が分譲会社が提示した
管理業者が管理している。その後に管理業者を変更した管理組合は約13%に過ぎな
い(国土交通省による平成20年度マンション総合調査)。

 管理組合が成熟していない段階で管理組合が主体的に管理業者を選ぶことができ
ないのは仕方のないことである。しかし、その後は管理組合が自分たちの住むマン
ションの管理について主体的にかかわっていかなければならない。

 管理費の見直しや管理会社の変更等はその一環である。また、マンションの管理
を自主管理にするのもその一つである。

 小規模のマンションでありながら、管理業者に管理を委託している管理組合もあ
るし、100戸を超えるマンションでも自主管理をしているマンションもある。

 自主管理といえばマンションの住民が自ら清掃したり、点検したりすると思って
いる方がいる。そうではなく、管理組合が主体的に管理人や清掃員を選ぶというこ
とである。

 自主管理でも管理業者に管理を依頼する場合でも、マンションの住民の労力につ
いては何ら変わらない。

 ただ、管理会社に管理を委託する場合、管理会社が全てそういう人員をそろえて
くれる。自主管理の場合には、管理組合の総会や理事会でそういう人員の選任をし
なければならい。そういう面では、理事に多少の負担がかかるし、住民の管理意識
がなければできない。

 その他修繕積立金等の出納業務について専門家に依頼したり、長期修繕計画の作
成、大規模修繕の実施等を支援するために、マンション管理士を活用することによ
って理事の負担の軽減のみならず、適正なマンションの管理を図るべきである。

 そういう専門家に依頼する費用を考えても、自主管理にすると大幅な管理費の節
約になるのは間違いない。

 特に小規模マンションにおいては多額の管理費を管理会社に支払っておきながら、
将来修繕積立金の不足が問題になることが目に見えているマンションが多い。真剣
に考える時期に来ていると思う。

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10年01月15日 21時15分57秒
Posted by: mansyonkanrisi
 朝日新聞の1月9日の朝刊の記事によると、マンション管理組合の積立金などを
着服したとして、管理組合の元理事長が業務上横領の容疑で大阪府警に逮捕され
た。

 当該マンションは大阪市中央区のマンションである。管理組合は昨年の8月に
理事長だった容疑者を解任している。そして、同9月に4,500万円を着服したと
して府警に告訴していた。

 大阪府警は、管理組合の理事長名義の銀行口座から積立金や管理費など2,000
万円を容疑者名義の口座に振り込んだ疑いで逮捕している。とりあえず、証拠の
明らかな2,000万円で逮捕したのだろう。そのうち、証拠が明らかになれば、横
領額が増えるものと思われる。

 当該マンションは、98戸で管理会社に管理を依頼している。理事長の任期は1
年であるが、容疑者は平成3年から繰り返し再任されていたという。

 管理会社がこのような横領行為を許すということは、管理会社の管理責任(民
事責任)は免れない。管理会社は出納業務についても管理を委託されていたと思
われる。

 そうすると、その業務について定期的に管理組合に報告する義務があり、その
時にその不正行為を発見してその防止措置を取る責任がある。また、横領行為が
数年にわたっている場合には、決算書等の作成において当然にその不正行為を発
見して、管理組合に報告する義務がある。

 このような横領行為があったということは、管理会社は、その業務の義務を尽
くしておらず、契約(委任契約)上の債務不履行の責任又は不法行為による責任
を負うと思われる。その責任の程度によって損害賠償の額は決まる。

 昨年の7月2日のブログ「修繕積立金の横領」で見たように、管理会社の社員や
管理会社ぐるみの横領が多発して、出納業務方式が改正された。その改正の概要
については、昨年の12月28日のブログ「マンションの出納業務方式の改正」につ
いて見た。

 今回の管理組合の理事長の横領については、今回の出納業務方式の改正とは直
接関係ない。以前から時々理事長の横領につては聞いていた。ある自主管理のマ
ンションの理事長が数千万円の横領をしたあげく破産し、結局、管理組合は一銭
の損害賠償の請求もできず、泣き寝入りしたということも聞いたことがある。

 理事長は、数人の理事の中から互選によって選任されるのが通常である。理事
を選任した他の理事は、理事長の業務について監視する義務がある。監視を怠り
理事長が不正行為を行ったときは、理事は連帯して管理組合に契約上の責任を負
う。理事と管理組合は、民法の委任契約が適用又は準用されると解されているか
らである。

 今回の事件のように管理会社に委託している場合でも、自主管理している場合
でも、理事長の不法行為については、他の理事も監視義務を怠れば責任を負うの
である。

 監事もその監査業務を怠ったものとして、管理組合に対して責任を負う。

 管理組合の役員(理事と監事)は、輪番で選ばれるのが通常であり、一々直接
不法行為をしていない役員に対して責任を問おうとしないのが、管理組合の傾向
である。明日はわが身だからである。しかし、法的には責任があることだけは肝
に銘じてほしい。

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10年01月13日 20時07分15秒
Posted by: mansyonkanrisi
 先日の土曜日に恒例の高校の新年会があった。毎年この時期に行われ、40年ぐら
い続いている。当初は男の運動クラブの連中が集まっていたが、いつの間にか男女
を問わず、クラブを問わず、クラスを越えて集まるようになった。

 働き盛りで無念にもこの世を去った友も何人かいる。大病と闘いながら参加する
友もいる。この年になると、どこも悪くないという人はほとんどいない。いきおい
病気や薬の話が多くなる。それでも皆な楽しみにやってくる。

 最近は人数も減ってきたが、それでも30人近くの同窓生がやって来る。遠くは
茅ヶ崎から毎年参加する人もいる。顔を見合わせて挨拶するだけで何か通じるも
のがあり、安心するような、ほっとするような、お互い頑張ろうという気持ちに
なる。

 食べて、飲んで、しゃべって、歌って、あっという間に6時間あまりが過ぎてし
まう。来年の再会を約して別れた。

 多くの同窓生がそろそろ年金生活に入ろうとしている中、幸か不幸かまだまだ
仕事を続けなければならい身としては、健康に気をつけながら何時までも第一線
で働きたいと思う。

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10年01月06日 16時43分29秒
Posted by: mansyonkanrisi
 暮れから正月にかけて映画を見た。「釣りバカ日誌」「ゼロの焦点」「牛の鈴音」
「パブリックエネミーズ」などである。週に1回の割合で映画を見ているが、皆から
驚かれる。そんなに見る映画があるかと。とんでもない。洋画、邦画合わせるとそ
れぐらいのペースでは良い映画を見逃すぐらいだ。家でだらだらくだらんテレビを
見て過ごす時間があれば、映画館に行こう。

 映画は映画館で見るから映画だ。大画面、大音響、2時間ぐらい集中して映画に
入り込める。私なりに良ければそれで良い。前評判が良くても自分にとってはつま
らない映画もある。逆にあまり話題にならなかった映画でも、自分にとって良けれ
ばそれで良い。

 映画を見た後に、その映画の評論などしたくもない。全体として見て良かったと
思えばそれで良い。たまに、時間の無駄だったと思われる映画もある。それは諦め
るしかない。

 「釣りバカ日誌」はこれが最後になるという。残念だ。トラさんシリーズがなく
なり、それに代わるものとして楽しみにしていたのに。

 「ゼロの焦点」は昔小説も読んだ。確か昔映画もあって見たような記憶がある。
とにかく松本清張の小説は暗くて重い。昔、松本清張の小説を読みあさったころが
あるが、途中で必ず、他の小説を挟んだ。清張の小説だけを続けるのは、気が重く
て耐えられないような気がしたからだ。しかし、それでも面白い。

 「牛の鈴音」はドキュメンタリーみたいな感じで、のんびりと、たんたんと進み、
だんだん映画に引き込まれていった。非常に良い映画だった。この映画は大きな映
画館では上映されていない。十三にある第七芸術劇場で公開されている。

 映画を見るのはたいてい夜の遅い時間にしている。その方が観客が少なくて、余
裕をもって見ることができるからだ。ところが、中高年の2人ずれの夫婦と思われ
る観客が、たまに映画の途中でこそこそ会話することがある。観客が少ないからつ
いつい遠慮がなくなってくるのだろうか。それとも、はじめからマナーがなってい
ないからなのか。

 集中しているのにそれが途切れて嫌な思いをする。映画館は、家でテレビを見て
いるのとわけが違うということを思い知ってほしい。本当に迷惑千万で、非常識極
まりないことなのだ。笑うのはもちろん良い。したり顔でこそこそ話しをするなと
いうことだ。
若いカップルでそういう非常識な人はあまりいない。

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