2009年 6月の記事一覧

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09年06月26日 20時09分07秒
Posted by: mansyonkanrisi
 IHクッキングヒーターあるいはオール電化住宅について、いろいろ論争がある。
電磁波がどうのこうのとか、いや安全だとか言われているが、ここでは、関西電
力と大阪ガスの論争みたいな問題については全く関係なく、マンションにおける
問題について見ることにする。

 最近のマンションであれば、オール電化住宅もあり、また、IHクッキングヒー
ター(電磁誘導の作用により、鍋底渦電流を発生させて、鍋そのものを発熱させ
る過熱調理器。電磁調理器ともいう。)の導入を見越した電気工事が施されてい
るものもある。

 しかし、少し古いマンションであれば、IHクッキングヒーターに備えた電気工
事がなされていない。このようなマンションにおいても、各区分所有者が独自に
IHクッキングヒーターを使用している例がある。

 それ自体は専有部分の問題であり、各自の判断に任されているともいえる。し
かし、IHクッキングヒーターは、かなり多くの電力を消費するものであり、それ
を使用する者が少ないうちは、問題は表面化しないが、使用する者が増えてくる
と、マンションの電気はもたなくなるおそれがある。

 問題が表面化したときに、それ以後のIHクッキングヒーターの使用を禁止する
と、早い者勝ちとなり、不公平である。そこで、マンション全体が使用できるよ
うにするためには工事が必要であるが、今後それを使用する予定のない人にとっ
ては、工事代金を全員で負担するのには反対ということになる。

 今後の推移を見ながら、あらかじめ、管理組合で将来を見越して対策を立てて
おくべき問題ではないかと思われる。

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09年06月25日 20時52分45秒
Posted by: mansyonkanrisi
 債権額が60万円以下であれば、簡易裁判所に「小額訴訟」として、訴えを提起で
きる。これは1日で裁判が終結する。これについては、以前に、「小額訴訟と簡裁
管轄事件」として 書いたことがある。

 小額の争いについて、費用をかけずに、早く決着を付けようという趣旨で認めら
れた制度である。

 ただ、小額訴訟の提起は、一人の人が訴えることができるのは、10回以内と決ま
っている。マンションの管理費の滞納が1年に10人以上いるような場合には、この
点などは気を付けなければならない。

 しかし、一番気を付けなければならないのは、被告(相手方)が遠方の場合であ
る。例えば、会社などに対して訴える場合、本社を被告として訴えるのであるが、
本社が東京にある場合、大阪の簡易裁判所に訴えても、東京の簡易裁判所に管轄の
移送がなされることがある。

 この移送がなされると、わざわざ東京の簡易裁判所まで出向かなければならな
い。訴訟は1日で終わるとしても、これはかなりの無駄である。

 小額訴訟で、被告が遠方にいる場合、訴状の提出のときに、くれぐれもこのこと
を裁判所の書記官などに確かめてほしい。

 そこで、被告が遠方の場合、どうすれば良いのか。

 この場合には、通常の訴訟をすれば良い。通常の訴訟では、原告の住所地の簡
易裁判所で裁判をやってくれる。

 通常の訴訟は小額訴訟と比べてややこしいのではないかと疑問を持つ人がいる
が、決してそうではない。通常の訴訟でも訴状の書き方は小額訴訟と同じである。
ただ、1回で訴訟が終結するとは限らないし、小額訴訟と違って、ちゃんとした法
廷で裁判がなされるという多少の違いはある。しかし、何も恐れることはない。
小額訴訟ができるなら、通常の訴訟もできるのだ。ただ、訴訟費用(印紙代と切
手代)はわずかであるが高くなる。

 そもそも簡易裁判所は、訴額が140万円以下の事件について管轄権がある。こ
のような比較的小額の争いについて、訴訟の専門家に一々頼んでいたのでは、費
用倒れになる。
 そこで、個人でも訴訟ができるように工夫をこらしているのである。このこと
は、小額訴訟に限らず、簡易裁判所の訴訟自体に言えることだ。

 ちなみに、簡易裁判所では、弁護士のみならず、一定の司法書士にも訴訟の代
理権が認められている。このような専門家に頼めばそれなりの費用がかかる。し
かし、簡易裁判所の事件について、専門家に頼む必要はないのではないかと言っ
ているいるのだ。

 裁判所も、専門家に頼まず個人が訴訟を提起することを覚悟しているから、訴
訟の提起から、裁判まで、質問すれば、ちゃんと教えてくれる。

 わからないことがあればどんどん質問すれば良い。裁判所の職員はそれが仕事
だから遠慮することはない。

 ここで言いたいのは、小額訴訟でも、通常の訴訟でも、個人で訴訟をしようと
思えば、比較的簡単にできるということだ。

 ただ、訴状の書き方がどうしても面倒だという方は、訴状だけ司法書士などに
頼んで書いてもらえば良い。数万円の費用で書いてくれるはずだ。必ず、事前に
いくらで訴状を書いてくれるかを聞いてから頼まなければならないのは言うまで
もない。

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09年06月22日 16時10分11秒
Posted by: mansyonkanrisi
 今年のはじめに、大阪地方検察庁から封書が届いた。別に悪いことをした心当
たりはな かった。しかし、聖人君主ではあるまいし、たたけば多少の埃がある
のが人の性、封を切るまでは何か落ち着かなかった。

 開けて見ると、10万円の過料を数ヵ月後までに支払えとの通知だった。宅建の
講習をする株式会社を設立しているが、会社のある事項について変更すべきであ
るにもかかわらず、5年ほど放置していて、つい最近その変更登記をしたところ
だった。

 登記事項が変更すると、一定の期間内に登記しなければならないとされている
事項がある。これを5年間怠ったために、過料に処せられたのである。

 不動産登記法でも、表示登記は、1ヶ月以内に登記をしなければならないとさ
れ、これを怠れば、過料に処せられる。住民票の変更にも、怠れば過料に処せら
れるという規定がある。
 また、区分所有法では、マンションの理事長などが、集会の議事録を作成しな
かったり、規約や集会の議事録などの閲覧を正当な理由なく拒絶したときは、20
万円以下の過料に処せられるという規定がある。

 ところで、罰則という場合、刑事罰(刑罰)と行政罰の2種類がある。
 刑罰は、死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料・没収(没収は他の刑罰に付加し
て科されるので、付加刑という)の7種類がある。
 行政罰としては、過料がある。

 科料(かりょう=とがりょうなどという)と過料(かりょう=あやまちりょうな
どという)をよく混同するが、前者は刑罰であり、後者は行政罰である。

 刑罰は、裁判を経て裁判所が言い渡しをする。また、前科となる。
 行政罰は、行政庁が通知する。前科という問題はない。
   
 なくなく10万円の過料を支払ったのは言うまでもない。

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09年06月15日 15時09分29秒
Posted by: mansyonkanrisi
 高経年マンションが増加しているなか、その大規模修繕のための修繕積立金不足
が深刻な問題になっている。また、どういうプロセスで大規模修繕を行うべきかと
いうことも、問題になっている。

 修繕積立金の不足について、まず、問題は、新築の分譲をスムーズにするため、
管理費等(通常の管理費と修繕積立金)として代金以外に必要とされる費用を抑
制したいという計算が働くため、はじめから少なく定めることがある。

 次に、管理費等がある程度たまってくると、管理会社が、色々な修繕の必要性を
言ってきて、それに従ったために、大規模な修繕積立金が不足しているということ
もある。

 新築分譲時の管理費等については、前にも指摘したが、通常の管理費2、修繕積
立金1の割合になっている場合が多い。これを逆にすべきである。通常の管理費の
見直しを早急にすすめることだ。

 途中で管理会社の要求どおりの工事をしたため、修繕積立金が不足した問題につ
いては、長期的な修繕計画がなされていないとこういうことになる。
 管理会社は、修繕積立金がたまってきたら、自分ところの関連会社の営業を受け
て工事をしたがるものだ。管理組合がしっかりしていれば、そんな甘い言葉に惑わ
されないだろうが、そうでなければ、その場限りの判断で、真に必要でもない工事
をしてしまう。どうせ理事の任期は1年か2年、誰かが強く要求すると、面倒を避け
たいという判断が勝ってしまう。

 長期修繕計画を立ててあれば、それにしたがって修繕積立金を使用する義務が発
生 る。それに違反することはできない。どうしても必要であれば、総会の決議で
長期修繕計画を修正する必要がある。それが、他人の金を預かる者の責任だ。

 いざ、大規模修繕を行う場合、管理会社主導で行うと、修繕積立金がたまったか
ら機械的に工事を行うということが往々にしてある。しかも、自分ところの関連会
社に仕事をまわすということもよくある。

 管理会社主導を排除して、管理組合で修繕委員会を作って数年間大規模修繕を検
討することがよくある。これは非常に大切なことだ。自分たちの建物を修繕するの
に、組合員が無関心でいていいはずがないからだ。

 修繕委員の方々に是非注意してほしいのは、色々なところに行って話しを聞いて
欲しい。
 管理会社の話しだけを聞いているようだと、全く修繕委員会の意味がないという
ことを知ってほしい。公的な機関として大阪市住宅供給公社、地方自治体がやって
いるマンション管理士の相談会などがある。

 大規模修繕工事をする場合、絶対に欠かせないのが、建物診断をして、その結果
を踏まえて、工事設計書を作り、設計した者が工事監理を行うということだ。これ
は工事業者と全く別個の業者に依頼しなければ意味がない。このプロセスが一番大
事であるにもかかわらず、このプロセスを工事業者に任せてしまっているというこ
とがある。

 この建物診断等のコンサル業者も、工事業者も公募等により複数の業者から見積
りを取って決定しなければならない。ただし、コンサル業者の選定は、金額だけで
選んでは後でつけが回ってくるということを知らなければならない。
  
 専門家の話しによると、この建物診断等のコンサルタントを選ぶことが一番大事
で、全てが決まると言われている。このために費用を要するが、それは当然に必要
な費用であり、これを削ってはまともな工事はできない。特に第1回目の大規模修
繕のための建物診断は、建設業者のあらを探すつもりでしなければならないとされ
ている。そして、これによってマンションは完成すると言われているようですよ。

 今建物がどういう状態で、どこが劣化しているか、どこをどういう風に修繕すべ
きかを診断せずに、まともな工事ができるはずがないのだ。劣化が激しくて、工事
費用がかさむ場合もあろう。積立金の範囲で工事をすませば良いと言うわけにはい
かないこともある。このような場合には、その費用をどういう風に調達するのか、
ということも検討していかなければならない。建物の寿命を長く保つためには、借
入金をしてでも資金を調達する必要もある。

 適切に修繕をしていけば、80年~100年経っても十分快適に生活ができるとも言
われている。マンションの建設業者は、40年ぐらいで建替えをしてくれた方が自分
たちの利益だから、修繕工事にあまり関心を示さないかも知れない。しかし、今時
そんな考えは通用しない。

 ※エースマンション管理士ホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/  
09年06月11日 17時55分32秒
Posted by: mansyonkanrisi
 最近マンション管理組合を法人化するところが多くなっている。色々な面でメリッ
トはある。デメリットとしては、多少の費用がかかるということである。

まず、そのメリット・デメリットを見てみよう。
(メリット)
○ 不動産を取得する場合、法人名義で登記をすることができる。管理組合が駐
車場用地を取得した場合などは、管理組合法人名義で登記できる。法人化して
いなければ、組合員全員の共有登記か理事長の個人名義で登記せざるを得ない。
○ 銀行預金口座の名義を法人名義にできる。
○ 対外的な取引(大規模な修繕契約等)をするとき、法人名義でできる。
○ 銀行等から資金(修繕資金等)を借り入れやすい。
○ 訴訟をするとき、法人が原告又は被告となる。
等々

(デメリット)
○ 法人設立の登記費用がかかる(司法書士に依頼する場合、5万円~10万円)。
もっと安いところや高いところもあるかも知れませんが。通常登記をする場合、
登録免許税が必要であるが、この法人の設立登記には、不要。
○ 理事長(法人登記上の代表理事)は、登記事項であるので、理事長が交代
(普通2年)したときは、変更登記が必要になる。司法書士に依頼すれば、少
なくとも2万円ぐらいはかかる。
○ 収益事業を行わなくても、市町村民税(5万円)、都道府県民税(2万円)が、
毎年課税される。
○ 総会の特別決議(4分の3以上)が必要なので、その費用。法人化に伴い管理
規約の変更などの費用がかかる。
○ 法人化に伴い、管理組合法人名のゴム印、法人印(理事長印)の作成費用
(4万円か5万円)等が必要。
等々

 法人になるためには、最後に登記をする必要があるが、所定の議事録を作成し、
代表理事選任の議事録(理事会議事録か規約。その選任の方法によりどれかを添付
する)、代表理事の就任承諾書、代表理事の印鑑証明書、代表理事選任の議事録に
署名した全員の印鑑証明書等を添付した登記申請書を作成して、登記所に提出する。 
   
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09年06月09日 15時09分38秒
Posted by: mansyonkanrisi
 高校の同窓会を毎年1月にやっている。40年近く続いている。最初は男のスポー
ツクラブの連中が集まって始めたのであるが、途中から男女問わず、スポーツクラ
ブを問わず、参加するようになつた。

 多いときは、40人ぐらいになり、少ないときも、20数人が集まってくる。太平
洋戦争が終わった直後に生まれた連中で、戦争を全く知らない世代だ。戦後民主主
義の申し子と言ってもいいかも知れない。

 高校を卒業して就職した者、大学に進学した者、職業も様々で多様な個性を持っ
た連中が集まってくる。多くに共通するのは、最初に就職した会社で最後まで勤め
上げた者が多いということだ。そうでない私などは、尊敬の念を持っている。

 当時はまだまだ経済的にはめぐまれず、同級生500人のうち、女性の大半は就職
し、男性でも、2割ぐらいは就職していた。学年のトップクラスの女性の多くが就
職していた。

 学年全体の同窓会も数年おきに行っている。100人を超える同窓生が参加し、半
数近くの者が2次会3次会まで残る。ここでは皆が高校生の時代に戻り、無邪気には
しゃいで浮世の憂さを忘れさせてくれる。
 金のある者も、ない者も、男前であった者も、そうでなかった者も、美人であっ
た者も、そうでなかった者も、頭の良かった者も、そうでなかった者も関係がな
い。大学の教授であろうが、専業主婦であろうが、職人であろうが、会社のえらい
さんであろうが、無職の者であろうが関係ない。ここで、自慢話しなどをする奴は
排除される、というよりも、参加しにくいであろう。自慢話しをしたい奴はお呼び
ではない。

 毎年行われている同窓会は、飲んで、食べて、しゃべって、歌って終わる。常連
もいれば、時々参加する人もいる。また、初めて参加する人もいる。皆からパワー
をもらって帰る。
 毎回参加しても飽きることがない。毎年の開催が楽しみだ。

 3年ほど前から、これらに加えて、春と秋にハイキングを行っている。また、同
級生にプロの料理人がいるので、年に1度、料理教室も開いている。その他に、何
か理由を付けては集まっている。職業や地位を意識せず集える仲間がいるという
こしは素晴らしいことだ。

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