6月30日の「夏越祓(なごしのはらえ)」を終えると、七月は文月、七夕月ですね。

「夏越祓」は「水無月の祓い」とも呼ばれ、1年のちょうど折り返しにあたるこの日に、
半年間の罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願する日本神道の神事です。

「夏越祓」は古くから寺社で行われており、この日、神社の鳥居の下や境内には
茅(チガヤ)で作られた大きな輪が用意されます。
参拝者が「水無月の夏越の祓いする人は、千歳(ちとせ)の命(いのち)延ぶというなり」
などと唱えながらくぐれば、夏の疫病や災厄から免れるといわれています。

また、神社から配られた紙の人形(ひとがた)に姓名・年齢を書き、それで身体を撫でてから神社に納めたり、川に流すと、罪・穢れが祓われると伝えられています。

利き目は知らず^^;、一年を折り返すに当たって、このような神事や行事を通じて、
健康に気遣い、季節を味わい、気候に対応することは、有意義ですね。^^

翌日、7月1日は、雑節の半夏生(はんげしょう)。
二十四節気ではありませんが、天文学的に、太陽が春分点より東に100度離れた時から始まり、その後5日間、すなわち二十四節気の「小暑(しょうしょ)」の前日までをいいます。

この頃は、陰毒が生じるとか、毒気が降って井戸水に混じるとか言われますが、この頃生える、烏柄杓(カラスビシャク)別名、三葉白草(かたしろぐさ)、漢方名は半夏(はんげ)に毒があるからだとされています。

葉の一部を残して白く変化する様子から「半化粧」とする説があるのですが、
サポニンを多量に含んでいるため、痰きりやコレステロールの吸収抑制効果があるものの、
乾燥させず生の状態では、シュウ酸カルシウムを含んでおり、食用は不可能ですよ。^^;

半夏を用いた漢方薬に、「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」がありますが、不安が嵩じたり、気分が塞がり、咽喉や食道が詰まるような感じがして、不眠症や声が出にくい、胃の不調など、大変有効なもので、副作用のある向精神薬や睡眠薬などより依存性なく、よほど安全なものです。

この半年を省みて、薬毒に染まっていないか、陰にこもって内側で諸毒が溜まってないかと振り返り,身にも心にも、毒を溜めないようにしましょう。^^

「小暑(しょうしょ)」は、今年はぴたりと7月7日。
「大暑(たいしょ)」は、7月22日となります。
「小暑」には、温風至り蟋蟀(しっしゅう)壁に居り鷹始めて撃つ云々とあり、いよいよ夏も盛りに近く、蒸し暑い風が吹いて、コオロギが壁に鳴き、鷹が他の鳥達を攻撃し始める候です。

「大暑」は、暑気はなはだだしく、古書には「腐った草が暑さに蒸れて蛍となり(んなアホな!^^;)土は潤い湿って、時々にわかに大雨が降る」とあります。
遊行に出かけても、激しい雷雨にゲリラ豪雨など、雨風の神の怒りに触れぬようにしましょう。〔笑)

今年の6月は、雨もよく降ったし、月末も朝なお涼しいことでしたが、これから暑気は増して行きます。
日本の夏、節電の夏。(ワラ)いつまでエアコンなしでいけるかな?^^;
外回りの方は特に、水分補給を意識して、熱中症だけでなく、水分不足による代謝異常や血の濁りから夏の体調不良に陥らぬよう、ご用心くださいね。

京都の夏、日本の三大祭の一つに挙げられる祇園祭は、毎年7月1日から31日までの1カ月間、京都市内の中心部や八坂神社(東山区)で行われ、街にはコンコンチキチン、コンチキチン♪と、朝から晩まで、繁華街には、祇園囃子が流れています。

クライマックスとなる山鉾巡行と神幸祭(いずれも17日)をはじめ、多彩な祭事が繰り広げられるますが、16日の宵山、15日の宵々山などに、山鉾見物に浴衣がけでそぞろ歩きの夜行をするのも風情があります。

尤も、もう若くもない私としては、蒸し暑い人ごみの中を、ぞろぞろ歩くのは願い下げ。^^;
風鈴の音と、揺らすロック・グラスの氷の音を楽しみつつ、夜毎夏の夜を祭りの気分で晩酌するのだ。(笑)