8●ドラマ型

「少年は今日、心の中で少し家出した」
「ゴルフは、地球を相手にするスポーツだ」
「近道なんて、なかったぜ」 「大きな夢ほど絵になるね」
「人類は、アブナイものを作りすぎた」

小説や詩のような世界観を提示し、企業や商品のイメージ向上を図るアプローチ法です。主に大企業、それもアパレルや酒類、時計など、イメージが重要な業種に多く見られます。

実は、多くのクリエイターはこういう広告を作りたくてコピーライターやデザイナーになるのですね。広告賞をとるのも、こういうタイプの広告。他の表現に比べ、つくるのは至極かんたんです。

しかし、実売に結びつくのか?という疑問をもたれることも多く、ある程度以上の地歩を固めた企業、商品でなければ敷居の高い選択ともいえます。

一方、フェラガモやルイ・ヴィトンくらいになると逆にコピーやメッセージを記さない、デザインのみの広告やポスターになっていたりします。これは、どんな言葉も、もはやブランドイメージを高めるには饒舌すぎる、という判断なわけです。

中小企業がこのパターンを採用するにはどう考えればよいか。まず、イマイチなクリエイターに書かせると、どうしてもダサくなります。また、出稿費がもったいないとの批判も聞こえてくるでしょう。メインビジュアルなども、雰囲気のあるイケてる写真などを使いたいところ。

他のコピータイプに比べて扱いにくいことは事実ですが、例えば起業したばかりのセレクトショップやSPA、あるいは焼酎の蔵元などであれば、ぜひチャレンジしたい表現であります。貴社の商品性質をよくにらんだ上で、どうぞ採否を決めてください。