お客様とのコミュニケーションで大切なのは言葉、コピーです。広告やカタログ、ウェブサイトで自社製品の優位点を要領よく伝え、説得し、行動に移させるためには、効果的なコピーワークが不可欠です。

ずいぶん前にコピーブームというものがあったのですが、その頃と比べると現在は面白いコピーは少なくなっています。理由の一つは広告がエンタテインメントでなく、販売促進ツールであるとの認識が広まったこと。また一つには、流動的な性格のウェブサイトが一般的になったこと、などもあるでしょう。

さて、自社の製品を宣伝するときに自分でコピーを書いてしまえたら、話が早いですよね。大手代理店のコピーライターだって、芯を外してしまうことはよくあるわけですから、製品にいちばん詳しい自分が表現できれば、失敗しても納得がいく。あるいは、少なくとも書き手の気持ちはわかる。そして、プロに頼んで出てきたコピーを選別する技術は格段に向上するに違いありません。

そこで、今日から何回かに分けてコピーのパターンという側面からノウハウを勉強していきましょう。もちろん、分類に当てはまらないものもありますが、目についたコピーがどれに属するのかを検証するなどして、興味を深めていく助けとしてもらえたら幸いです。

1●生活提案型「そうだ、京都いこう」「なぜ、時計も着替えないの」「金曜日はワインを買う日」など

大企業が発信するコピーですね。以前に比べるとこのタイプのコピーは減りました。生活者の指向が多様化して、単純に提案してもなかなか乗ってくれないわけですね、さびしいことに。それぞれの業界のリーダー企業が用いるコピーのパターンです。

あなたの扱う製品が新規性が強く、新しい習慣を訴えないと市場が広がっていかない、という場合には、製品を使った新しい魅力的なライフスタイルをイメージし、それを言葉に置き換えてコピーとしてやる必要があるわけです。それが新市場を表すキーワードになってくれれば、成功に一歩近づくコミュニケーションへコピーが貢献したと言えるわけです。