昨年、イトーヨーカ堂では買物額から5~20%を現金で返還するキャンペーンを実施しました。

消費低迷の流れを受け、流通各社が売上を失う中、「キャッシュバック」というカンフル剤で来店と販売促進を狙うわけですね。通常の値引きよりもお得感をアピールできるということのようです。ヨーカドーでは期間中、約8億円の販促原資を用意したといいます。

同様のやり方に、「100人に1人、買物全額タダ!」という販促手法があります。冷静に考えると、これは「全品1%引き」と同じサービス。けれど、買ったものがすべてタダになるかもしれないという目先の事実が、射幸心をあおるわけです。それも、「上限10万円」と小さく書かれていたりして、実質は1%割引きにも満たないのですから、ものは言いようですね。

ごく普通のポイントカードでも、1~2%ていどの割戻しですから、店舗の持ち出しは小さく、インパクトは大きく。というわけです。もっとも、ポイントは死蔵分がとても多いので、こちらも結局は1%を切ってきますし、原則として他店舗では使えません。

このように一般流通業が青息吐息なのと比べ、ネット通販組は好調を維持しているようです。たとえば楽天市場は営業利益を前年同期比を2倍以上に伸ばしました。同社の三木谷社長は「ネット通販は景気の影響を受けない」と豪語。

また、20歳代が中心顧客であるアパレルのネット通販なども景気の影響を受けづらいようです。そして、不景気が逆に好材料になったのが「ぐるなび」。客数の減少している外食産業が、費用対効果の高いぐるなびのサービスを積極的に取り入れているため、同社では20%程度の増益となっています。