以前、外食チェーンのロッテリアでは、なんとハンバーガーが美味しくなかったら返金する、というキャンペーンを行いました。

個人消費の低迷をうけて、値下げや下取り、アウトレット販売などの施策が講じられてきましたが、WBSによると返金・返品保証も広がっているとのこと。ロッテリアでは、おいしさを世に問うなら、その覚悟を示さなければということで踏み切ったそうです。同社では最大でも5%までの返金率と読んでいます。

ところで、主なハンバーガーチェーンのメニュー評価は、おおよそ次のようではないでしょうか。マクドナルドは、安く、けっこううまく、そしてコーヒーはばかにできない味、というもの。モスバーガーは、こだわりのレシピでかなりおいしい、けれど少し高く、出来上がりまで待たされる。ロッテリアは、とにかくおいしくなく、何かの事情がなければ来店することはない…。

しかし、近年ロッテリアは商品開発スタッフに実力派のシェフを配し、ぐんぐん味を向上させていました。キラーメニューがない点をのぞけば、マックにも遜色がないかもしれません。それでも、いったんついてしまった評価はなかなか変えることがむずかしい。そうした中で、今回の決断はロッテリアがトップブランドへと脱皮するための、軽いショック療法なのでしょうか。

返金保証制度は、購入して使用してみなければパフォーマンスがわかりづらい商品について、買物の失敗というお客様のリスクをなくしてあげるという販促手法です。商品管理にすぐれた会社の場合に、また逆に怪しげな商品の場合にもよくみられる戦術です。

消費大国であると同時に多彩な民族が暮らす米国は返金保証の先進国であり、さまざまな業種、商品に取り入れられています。かつて「決してNOと言わない百貨店」として讃えられていたノードストロームでは、販売してもいないタイヤの返品を笑顔で受け入れたという伝説すらあります。

実は米国での返品率はかなり高く、あるリサーチによると小売業平均で20%ほどにもなり、金額ベースでは4600億ドルに相当するとしています(2006年データ)。とくに、夏の終わりに水着が返品される率は60%にもなるそうです!!!

対して島国日本の返品率は0.2~4%内外、平均では3%です。それでも、百貨店でドレスを買い求め、パーティでいちど着たのちに返品・交換を繰り返すセレブ(?)の存在もよく話題になりますね。