2008年 10月の記事一覧

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08年10月31日 15時00分00秒
Posted by: hansoku
次は、ビジュアルについて。絵柄は、チラシの顔になる重要な部分です。写真を使うか、イラストか。無難なのは、写真でしょうね。イマイチのイラストを使うと、どうにも三流感が出てしまうことになります。

例えば、商品をきれいに撮った写真か、メインキャラクターか、あるいは商品使用時のベネフィットを表現するイメージシーンなど。単なるイメージ写真なら、著作権フリーの素材集が便利です。数千円で何十点もの写真が入手できます。

また、いまはデジタルカメラで手軽に撮影ができるのですから、すこし工夫を凝らし、場合によってはフォトレタッチソフトを使用して合成することなども可能です。こうして使い回しのきくメインビジュアルを一度つくってしまえば、さまざまな場所、媒体で何度も露出させることでターゲットに認識してもらえる環境が整うわけです。

ただ、最終的にはビジュアルはプロのデザイナーときちんと話し合って、提案してもらう部分です。マーケティングコンサルタントの意見を聞くのも結構ですが、彼らは営業マン出身かコンサルファームのエリートですので、表現には弱い場合が多い。第三者の意見として聞いておく程度にしておいてください。適当なデザイナーとのご縁がなければ、ご紹介することもできます。

さて次は、これも肝心なチラシのオファーです。無料サンプルなのか、無料見積もりなのか、あるいはお試し価格の提案なのか。雨の日来店割引、モニター募集、クーポン掲載(切り取ると財布に入るような)、お誕生日プレゼント、懸賞品抽選会などなど。この企画次第で、チラシの反応は大きく違ってくる重要な部分です。
<4へ続く>
08年10月30日 15時00分00秒
Posted by: hansoku
いわゆるキャッチフレーズについて。ぜひ、インパクトのあるキャッチが欲しいところですが、日本人が日本語を書くだけなのになぜかむずかしい。巷の広告物をチラ見しても、何を言っているかわからないものさえ多い。そこで、即効性のあるコツをひとつ。

「おしりだって洗って欲しい」で知られるコピーライターの中畑貴志さんは、新人コピーライターにコピーを書かせるときは、「早い話が…」を頭につけて考えるように指示するそうです。そうして何本も書かせて、最後の段階で「早い話が」を取り外すと使えるコピーが見つかるんだ、とおっしゃっています。

だいたいコピーとは、「どう書くか」よりも「何を書くか」が重要な場合がほとんどです。つまり、どんな言葉で表現するかではなく、どのことについて書くか、が問われるということです。美辞麗句の言葉選びでは、つい「言葉遊び」に終わりやすい。それよりも、顧客に伝えたい事柄は何と何か、を突き詰めることが重要なのです。

なんとなくいい感じ、のコピーは避けましょう。明快に顧客側の「メリット」を提示してください。よい商品だから買うべきだ、ではなく、この商品を買えばこうできる、楽になる、癒される、と訴えます。つまり、機能の先の利便性=ベネフィットを説くのです。

コピーのアプローチ方法にはいろいろありますが、問題提起型はぜひ、トライを。「なぜ、ムダなお金を払い続けるのですか?」的な問いかけです。心理的には、「いまならお得! 」よりも、「損していませんか? 」のほうが有効なのです。または、物語型。例「ひとつの失敗から開発は始まりました」。ニュース型なら「2008年、とうとう髪に優しいストレートパーマ」のように。

こうしたコピーやネーミング法は、書き始めればキリがありません。そのうえ、どうしても表現には科学的に計数化したり、標準化できない部分が残るものです。こうしたコピー&ネーミング作法をまとめてみないか、というお話しはいくつかいただいているので、後日、書籍の形でお届けできるかもしれません。
<3へ続く>
08年10月29日 15時00分00秒
Posted by: hansoku
効果の上がる販促物をどうつくるか。

これは、顧問先にもよく問われる話題です。そこで今日から何回かに分けて、販促物をつくっていくチェックポイントを紹介していきたいと思います。

販促物、印刷物のなかでも、どちらの会社でも製作する機会の多いのはチラシでしょう。ここでは基本的に製造業、サービス業または流通業の、カタログを兼ねたチラシ=リーフレットを想定して説明します。

まず、サイズはA4程度が取り回しがいいでしょう。A4ペラ1枚なら、三つ折りにして封筒で送るのも容易です。A3を二つ折りにしたA4仕上がりでもいいですし、ページものにすることも配布方法によっては可です。

次に色数。最低でも片面は4色にしたいものです。内容がよければモノクロでもいいのです、なんて言う人もいますが、カラーが当たり前の時代にモノクロでは、まず手にとってもらうことすらできないのではないでしょうか。

肝心な内容。第一に、何のための印刷物かを明確にしてください。言い換えれば、最も訴求したい事柄は何か。チラシに限らず、せっかくつくる印刷物は、すべて顧客に行動を起こさせる仕掛けを載っけなければ意味がありません。

体裁としては、普通のカタログや当たり前のチラシではつまらないわけで、ニューズレターのようなものにしてもいいし、顧客の体験談、商品の意外な活用法を訴えるのもいい。スタッフの写真やイラストを入れて親近感、信頼性を醸成するという手もあります。
<2へ続く>
08年10月28日 15時00分00秒
Posted by: hansoku
<コンサル事例>

私が返信したメール文は以下の通りです。

「 …前略… さて、広告収入モデルという決断をされたようで、その徴収のやり方ですね。

まず、ある程度信頼のもてる媒体資料が必要ではないですか。
(イメージとしては仕上がりA4タテ3分の2三つ折り4C、的な)
それを、Sさんのこれまでのキャリアを活かして、コネを辿って広告代理店に挨拶&配布しまくる。

掲載料の定価は高めに設定しましょう。代理店がマージンとれるなと感じる程度に。
定価は媒体の価値を数字に置き換えたものですから、自信の値付けを。実際は、値引きしてもいいわけですし。

そして、本放送開始キャンペーンで、
「いまなら優良クライアントは無料です」として、とにかく出稿ぐせ、扱いぐせをつけさせる。
そして、他の広告主には「いい企業が出稿しているな、有望な媒体なのかな」と感じさせる。

その一方で、地場産業や企業(××××みたいな)、
あるいは自治体など、自身でも回れるところは直接どんどん回る。
CM未経験企業には制作込みのメニューを提示する必要がありますね。
リンクなら、同様カテゴリーのサイトを探して相互リンクをオファーする。

本放送が進んで、実際のレイティングやリーチの数字が出たら、
それを根拠に媒体料や出稿メニューはまた考えればいいと思います。
視聴者属性の詳細なセグメントができれば、強みになります。
実際、こうした数字データが出ないと出稿も扱いも真剣に考えてもらえない傾向が強いでしょう。

それと、考え方なのですが、(県名)ローカルを価値と考えるのか、
それとも(県名)だけど、全国へ発信できることが価値と考えるのか、
どちらなのでしょうかね。 …以下略…」

という内容でした。このアドバイスが役に立ったかどうか。その後もメールのやりとりはちらりとさせてはいただいていますが、この放送局さんはクライアント契約は結んでいませんので、それは陰ながらチェックしていくことになるのですね。
08年10月27日 15時00分00秒
Posted by: hansoku
<コンサル事例>

高速接続が当たり前となったネット環境をうけ、動画の配信ビジネスが本格化しています。USENはGyaOを成功させ、Yahoo!もYahoo!動画でこれを追っている状況。これらに先立つ、昨年の夏、ネット放送局を立ち上げようとしている起業家が、私のブログを見てメールをくれました。

何度かメールのやりとりをしたのち、運営を目前に控えた頃に相談をうけました。以下は、そのときのメール文からの抄録です。

「こんにちは、ネット放送局をやろうとしている○○です。最近の動きとして生放送の実験も終わり10月に運営開始に向けてコンテンツを制作している状態です。毎日、収入源の広告掲載費について頭を悩ませています。

当然、最初は知名度もアクセス数もないサイトでどうして行くか…なのですが。こんな方法をとろうと思うのですがどう思いますか?

動画CMやバナーの大きさによって単価は違いますが、例えば1回のCM露出に対して○○円の課金で、毎月末のログを見て回収する。企業によっては上限をつける。

こんな感じのことを考えています、これならお互いのリスクを軽くしこちらも企業努力をしていく格好になるので良いのでは、と思うのですがどう思いますか?アリですかねぇ…。」

つまり、地方発のネット放送局における広告料課金はどのように考えるべきか、という課題なのですね。そこで、私はお答えのメールをお送りしました。
08年10月26日 15時00分00秒
Posted by: hansoku
8●ドラマ型

「少年は今日、心の中で少し家出した」
「ゴルフは、地球を相手にするスポーツだ」
「近道なんて、なかったぜ」 「大きな夢ほど絵になるね」
「人類は、アブナイものを作りすぎた」

小説や詩のような世界観を提示し、企業や商品のイメージ向上を図るアプローチ法です。主に大企業、それもアパレルや酒類、時計など、イメージが重要な業種に多く見られます。

実は、多くのクリエイターはこういう広告を作りたくてコピーライターやデザイナーになるのですね。広告賞をとるのも、こういうタイプの広告。他の表現に比べ、つくるのは至極かんたんです。

しかし、実売に結びつくのか?という疑問をもたれることも多く、ある程度以上の地歩を固めた企業、商品でなければ敷居の高い選択ともいえます。

一方、フェラガモやルイ・ヴィトンくらいになると逆にコピーやメッセージを記さない、デザインのみの広告やポスターになっていたりします。これは、どんな言葉も、もはやブランドイメージを高めるには饒舌すぎる、という判断なわけです。

中小企業がこのパターンを採用するにはどう考えればよいか。まず、イマイチなクリエイターに書かせると、どうしてもダサくなります。また、出稿費がもったいないとの批判も聞こえてくるでしょう。メインビジュアルなども、雰囲気のあるイケてる写真などを使いたいところ。

他のコピータイプに比べて扱いにくいことは事実ですが、例えば起業したばかりのセレクトショップやSPA、あるいは焼酎の蔵元などであれば、ぜひチャレンジしたい表現であります。貴社の商品性質をよくにらんだ上で、どうぞ採否を決めてください。
08年10月25日 15時00分00秒
Posted by: hansoku
7●あるある/キーワード型

「ザ・~、新~、~宣言、~学、~考、~主義、~の数だけ~がある、○○する方法」
「プライスレス」「COKE IS IT」「連写一眼」「Fun to drive」

紋切り型、という言い方がありますが、昔からキャッチフレーズに使われがちなお決まりのパターンというべきものがあります。それは時に英語によるワンワードであったりもします。

製品の特性を短く、ひとことで端的に言い切ることができれば、ターゲットに憶えてもらうことも容易です。訴求すべきことを絞り込むことができたら、それをワンワードでずばっと表現できないか、検討する価値はあるわけです。

ワンワードによる表現のよいところは、印象や記憶に残りやすいことですが、なんとなく良いコピーを書いた気になってしまうネガティブもあります。“造語”を考え出して短く決めたのはいいが、何のことを言っているのか伝わらない、なんていう欠陥広告になってしまうケースもあるでしょう。

子どもがマネをしたり、流行語になったりするのもこのタイプのコピーに多く見られることですが、それは豊富な出稿が可能な大手企業の話であって、私たちは少ない露出で強い想起を促すために、力のあるワンワードを選び抜きたいものです。
08年10月24日 15時00分00秒
Posted by: hansoku
<コンサル事例>

基礎化粧品(これはファンケルやDHC、再春館製薬所などをイメージしてもらえればいいと思います)は、効果効能を頭で理解する部分と、イメージや勢いで購入を決めてしまう衝動買いの対象でもあると思うのですね。

そこで、それぞれの役割を果たすツールとして、図説やグラフを多用し、成分説明から導き出される効果効能などを理解してもらうための、いわば左脳向けのカタログをつくる。そしてもうひとつ、使用前と使用後の肌の違いなどを大きな写真で紹介する右脳向けカタログを用意することを提案。

双方が補完し合い、現場のセールスを支援するツール数種がそろえば、とりあえず環境は整備されます。しかし、こんなことは普通のコンサルタントでも指導できることです。私がもっとも問題であると指摘したのは、まったく別のことでした。

販売員が辞めてしまうのは、カタログが不備だからではないのです。たしかに売上の上がらないことがリタイアの原因ではありますが、誰だって最初からポンポンと売れるわけではないですよね。

問題は、「売れない…」と悩んだときに、きちんと心のケアをしてあげられるか、という点です。つまり、回りに「私も売れなかったのよ」と語りかける人がいて、「つらいのは自分だけではないんだ」と理解できれば、もう少しがんばれるのです。

ナレッジマネジメント風にいえば、うまく販売できた成功例やセールストークの共有が「正の情報共有」なら、「私もダメだった」という失敗経験のストーリーは「負の情報共感」といえます。こちらも、双方を合わせ技として週刊や月刊で配布するコミュニケーションペーパーなどで情報発信していく必要があるでしょう。

その他も、技術面だけでなく心情面でのセミナーに参加させたり、上級のセールスパーソンにマン・ツー・マンで指導させたり、という会社側の思いやりのあるフォローがあれば、一皮むけてがんばる人がどんどん現れてくるに違いない。

人を大切にする企業風土は、一朝一夕には確立できないでしょう。それでも、トップの顔が向いている方へ、他の社員たちもだんだんと視線を向けていくものです。どうか、時間をかけて、尊敬される企業へと脱皮していって欲しいものです。
08年10月23日 15時00分00秒
Posted by: hansoku
<コンサル事例>

知人の紹介で、S県に本社のある基礎化粧品メーカーの社長さんとお会いしました。

上京してきた社長曰く、商品には自信があるけれど、機能性が複雑なのでセールスの実績が上がらず、現場の販売員が退職したり、代理店が離れていったりする。どんなツールをつくれば良いのか。現行カタログ、パンフレットについても忌憚のないご意見やアドバイスをもらえないか、というご相談でした。

販売助成ツール一式を見せてもらったところ、印刷物は確かに種類が少なく、手作りの物もあります。それぞれの表現はぎごちなく、メッセージ性はゼロ。誰も説得できないだろうな、という内容でした。

その反面で、薬事法に違反するような行き過ぎた効能の表記がある。これは、地元の印刷会社にデザインしてもらったり、社員がパワーポイントでつくったりするときに陥りがちな危うさのようです。

またウェブについては、一応あるものの、必要なコンテンツ・ボリュームをまったく満たしていないという状況でした。とくに、代理店さんを募集するリーフレットが気の抜けた内容であるにもかかわらず、ウェブ上にはそのページすらないというのです。

どこから手をつけても速攻で効果が顕われるようなこの会社。さて、一日限りのコンサルで、弓削徹は何を伝えたのでしょうか。
08年10月22日 15時00分00秒
Posted by: hansoku
6●数字・実証型

「45%の人がペプシを選びました」
「だれでも年収3000万円稼ぐ方法」
「家の、88%は空気です」住宅メーカー
「あなたの会社が90日で儲かる」ビジネス書
「30日間の無料お試し期間」

統計や実証的な数字を盛り込んだ説得、またはオファーとなっているキャッチです。とにかく数字の持っている客観性、具体性に立脚した、いわば日本的あいまいさを排除した表現といえます。

イメージ広告は流してしまうお客様も、数字や金額が入っていると目を留めてくれる。どんな性質の数字なのか、どんな数字を約束してくれるのか、と。むしろ、私たちが数字を苦手としている心情を逆手に取ったようなアプローチ方法ですね。

作り手としては、製品やサービスにまつわるどの側面の数字を挙げて訴求すれば気を引くことができるのか、十分な検討が必要となります。見込み客にとって魅力的な数字の提示、またはオファーでなければならないのです。

ここで注意が必要なのは、情報の送り手にとって意味のある数字が、見込み客にとってもやはり意味を持つ数字であるとは限らないという現実。ここを顧みることは、彼我の情報格差に思いを致すこと、すなわち相手に思いやりを持つことに他なりません。

数字を提示しながらも、見込み客の心に刺さらなければ、効果のないイメージ広告と変わりない代物になってしまう。買う側の立場に立って表現を考えることが重要なのは、もちろんこの数字・実証型コピーに限りませんが。
08年10月21日 22時43分31秒
Posted by: hansoku
5●ニュース型
「11月17日、ガラリと世の中が変わるかも」(ゲーム機)
「世界初! 2層DVD-RへのVRモード録画対応」(DVDレコーダ)
「1年中で一番うまい今、○○をご紹介」
「○○についての重要なお知らせです」
「ついに、新しい○が発売されました」

広告も、言ってみればニュースの一部なのですね。新しい情報、見る人の役に立つ情報を届けるわけですから、目立つことが“善”ということになる。で、遠慮なく目立ってしまいましょう、というのがこのパターンです。

ニュースというからには、これまでにない技術、機能、メリットがなければなりません。もしも、あなたの会社の製品がブレイクスルーを成し遂げたなら、このタイプの訴求方法を検討してください。

表現も、ストレートでいいのです。スピード感、現場の躍動感をそのまま伝える、記者のような気持ちで書くことです。また、あくまで「ニュース風」にパロディにしてしまうのもアリです。

ただ、注意が必要なのは客観的データがないのに「No.1」とか、「国内最大」、「最小・最軽量」などのワードを使ってはいけないというルールです。近年のコーポーレート・ガバナンス的にいえば、虚偽の表示はいっきに企業の信頼性を毀損してしまいます。

「世界初」、「販売高日本一」などの表示をしたいなら、根拠(調査結果、白書など)や出典(新聞、雑誌など)を示さなければなりません。それらをクリアして、インパクトのあるニュース的な、また報道的な表現が可能になるなら、あなたの製品が注目されるのはそれほどむずかしいことではないかもしれません。
08年10月20日 15時00分00秒
Posted by: hansoku
<コンサル事例>

まずは、ビジネスモデルに対するとらえ方から。企業は骨太の理念なくしては長生きできません。このサイトは世の役に立つ商品を提供しているのですから、きちんとした「ミッション」を胸に、ビジネス構築をしていくべきなのです。

そのときのサイトデザインは普通の広告か、雑誌の通販ページのようなフレームの集まりになっていて、「とにかく買って」という雰囲気でした。商品の性質上、十分な説明や説得が必要なのに。

そこで、ミッションの例として「この国から夜泣きに苦しむお母さんをなくしたい」を挙げ、説明しました。初めての育児に悩む新米お母さん、育児ノイローゼのあげくに子殺し…。そんな社会に向かって「有効な解決策があるのよ、音楽ひとつで変わるのよ」と、啓蒙してあげてほしいのです、NPOのように。

そう考えると、サイトの構造も変わってきます。トップページは、子育てに戸惑う新米ママのよきおばあちゃんのように、育児の大変さに共感し、知恵や情報を伝える駆け込み寺になります。その後におっとりと音楽商品へと導入、もちろんユーザビリティも見直します。

そして、広報活動がキモ。こうした一見伝わりにくい商材こそ、そして社会に貢献できる商品こそ、パブリシティにうってつけです。新聞、雑誌、テレビに上手にリリースを提供すれば、必ず取り上げられるタイプの商品です。

また、商品購入形態はダウンロードが中心なのですが、育児に手が離せないお母さんには不向きな販売方法かもしれません。むしろ、CD-Rやギフト需要を強く意識した方がよいでしょう。そして、3ヵ月後ぐらいに詳細なアクセス解析を行い、さらに見直しを行う。そこまでやれば、成功は見えてくる。そうしたらキーワード広告や類似セグメントサイトへのPPC広告出稿を始めます。

まだまだ、必要なことはあるのですが、とりあえずはここまで。
08年10月19日 15時00分00秒
Posted by: hansoku

<コンサル事例>

弓削徹のサイトを見てご連絡をくれたのは、音楽ダウンロードサイトであるMを運営している方でした。

音楽ダウンロードといっても、ITMSのようなオールラウンドなものではなく、夜泣きする赤ちゃんに聴かせる「胎内音入り子守歌」というエッジなサイトです。立ち上げから数ヵ月、販売高が伸び悩んでいる、というご相談でした。

胎内音には当然、心臓音もあり、血流の音なども含まれるそうで、そのサウンドには泣きぐずっていた赤ちゃんを落ち着かせ、眠りに誘う効果があるというのです。

最近、育児ノイローゼになってしまった母親による子殺しの報道も多く、夜泣きする赤ちゃんを抱えるお母さんには切実な問題なのですね。ビジネスモデルとしても面白いし、とにかく困っている人を救うことができる点がすばらしい。

運営している方は、もともと音楽畑の方で、ご自身も一児の母。数日後に面談するお約束をしつつ、そのサイトを閲覧してみました。

と、失礼ですが、このサイトの作りが問題ありありなのですね。通販サイトとしての基本は押さえているところは上手なのですが、一見、広告ページのようなレイアウト。ビジネスモデルに対する認識が、そこに表れているようでした。

では、どこの辺りから、変わっていったらよいのでしょうか。

08年10月18日 20時49分14秒
Posted by: hansoku

4●注意喚起型

「○○を買うのは、これを読んでからにしてください」
「○○はどれも同じだと思いますか」
「靴屋さんが自分のために買う靴」
「忠告!! 甘いもの好きの方へ」
「こんな間違いをした犯人へ」
「ガソリン代を節約したいドライバーのみなさんへ」

そろそろ、我らが中小企業向けのコピーパターンになってきましたね。インパクトを第一に考え、目を留めてもらえるような過激な表現を試みるタイプです。

ショッキングなことや質問の投げかけなど、とにかくターゲットを刺激できる内容を考えてください。少々、誤解を招くときもあるかもしれませんが、あなたが製品やサービスに万全の自信を持っていれば、結局は感謝されるはずです。

こうした泥臭い表現を、大手企業は採りません。だから、胡散臭い反面、興味をそそることに成功すれば、目立つことができるわけです。ぜひ参考にしたいのは、映画業界のコピー。この業界では、コピーとは呼ばず、いまだに「惹句(じゃっく)」なんて呼んでいます。

「決して一人では見ないで…」とか「全米が泣いた…」なんて、ちょっとウソくさくもある。でも、やっぱり注意を引いたもの勝ちで、印象に残るホラ(失礼)を吹いたからこそ劇場に足を運ぶ人も出てくるわけです。

あなたの商品(サービス)と深く対話し、その商品を購入したことによって消費者が得られる利益に思いをいたし、そしてセンスのいいホラを思いきり吹いてみてください。

08年10月17日 12時00分00秒
Posted by: hansoku

3●意外性/逆説型
「日本の道は、日々変わる」カーナビ
「右ききの人は、右の裏が汚れている」歯ブラシ
「わが子を非行少年にする十章」
「夏には、冷たいものがあたたかい」
「諸君。学校出たら、勉強しよう」新聞
「○○(企業名)はナンバー2です」レンタカー

あなたがじっくり考えてみることがなかった事象について、意外性を含む事実を、あるいは逆説的なモノの見方を提示するコピーです。バランス感覚を大切にする日本人は、自分の持てなかった視点を提示されると、一瞬、素直に驚いてしまいます。

その「驚き」という心の動きに、商品と企業をひも付けして記憶してもらおう、また異なる視点にたどり着いた企業のフトコロの深さを評価してもらおう、というコミュニケーション手法がこのコピーパターンです。

コピーライターは、企業の担当者が提示した資料やデータを咀嚼した上で、さらなる高みからの鳥瞰を試み、もう一つの「真理」に気づく。この気づきという一瞬のカタルシスを、メディアを介してもう一度ターゲットに共有してもらおう、と無意識のうちに考えて文案を書いていきます。

それでいて、表現内容が商品特長から離れてしまっていなければ合格点です。業界的には最も評価されるタイプの広告ができあがります。しかし、それが購買にストレートに寄与するかどうかは、わからない。

「広告賞などはいらない、商品が売れる広告が必要だ」という向きには(全員がそうですって?)、もう少し後でご紹介するコピーパターンが最適かもしれません。

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