「赤福」の新しい偽装行為が毎日のようにニュースに流れています。もう、ここまで来ると”うんざり”、だんだん関心がなくなってきます。しかし、商品「赤福」への不信感は薄れることはないと思います。

正直、この300年の伝統を持つ会社はどうなるのでしょうか?、財務状況によっては、どこかの会社がやさしい手を差し伸べない限り、再建はできないかもしれません。古い企業なので、売却可能な不動産等の固定資産はあるかと思いますが...

当たり前ですが、信用を築くのには長い年月がかかりますが、その信用を失うのは一瞬です。300年の伝統が一気に消え去るのは、経営者、社員ならずとも残念なことだと思います。

ところで、この「赤福」に限らず、今年は立て続けに食品疑惑が表に出ています。消費者にとってみれば「バカにするな!」という怒りでいっぱいですが、一方、経営サイドに立つと経営の基本中の基本ができていない未熟さを露呈していると言えるのではないでしょうか。

なぜかと言えば、

この物が売れない時代、いかに顧客のニーズや悩みを汲み取り、それを解決する能力・ノウハウを身につけ、どうやってアピールしていくかが重要なポイントになります。供給者の都合(プロダクト・アウト)ではなく、需要者側に立った商品やサービスを提供(マーケット・イン)することが重要で、経営者も社員も常に顧客の顔や気持ちが頭に浮かぶようでなければならない時代なのです。

今年、問題を起こした会社に知名度が高い、伝統のあるところが多いのは、これまでの歴史(業績)にあぐらをかき、旧態依然とした経営手法に甘んじ、外部環境の変化に鈍感になっているためではないでしょうか。人口が減り、縮小している市場の中での戦略、また、食の安心/安全にナーバスになっている顧客にどう応えていくかの姿勢がなければ、生き残ることができないのは明白です。

売れ残りが出て、ロスが生じるのであれば、「必要最低限の材料のみを仕入れ、売れる分だけ生産する。」のが鉄則です。

販売予測を立て、それに基づいた生産計画→購買計画→生産→在庫→店舗へ出荷→販売という過程の中で、過去の実績や消費動向の変動、また、販売/販促戦略などを鑑み、正確な数値をタイムリーに把握してプロセスを進めていくことが必須です。

もちろん、こうした業務プロセスを効率的に行うには『IT』が非常に効果的です。コンプライアンス経営を行うにも『IT』は役立つのです。当然、業務の効率化、スピード化にも。『IT経営』を実践し、企業競争力を強化してはいかがでしょう。