5月以降、東北地方の主要店舗の売上が前年比1~5割増と伸びて来た。(日経)

・三越仙台店は5月17%の増収

・盛岡の川徳百貨店10%増収

・仙台の藤崎百貨店5%増収

・イトーヨーカ堂仙台泉店、石巻あけぼの店5割増収

・イオン石巻店5割増収

・セブンイレブンの東北地方店は2割増収

イトーヨーカ堂やイオンでは家電売場を復活させて復興消費を取り込んでおり、

又、全国各地のスーパーや百貨店は被災地産品の売場を作って消費を後押ししている。


千年に一度の大震災に消費者の購買心理は大きく変わりつつある。

日本は一つのCMに代表されるように、

又、今だ届かぬ義援金より消費によって被災者を応援しようとする社会貢献意識が大きい。

その一方では、

節電、節水や無駄のない買い物をしようとする賢い消費意識は

これからの小売業にとって、販促方法や売場づくりに考慮されなければならない。

”今日は安いから沢山買って下さい。”という販促方法から

”今日はこんな理由でこの商品をお奨めしています。”と言うような

消費者の得する情報をきちんとPRして、理解して買ってもらうことが大切です。


その意味では”生活提案型販促・売場づくり”が重視されるようになると思います。


生活物資の値上りが続々と出て来ています。

・三陸産のワカメが全滅してその他国内物は5割高、韓国産も3割高と値上り。

・飼料用穀物の値上がりから養殖魚の相場が上昇している。

 東京築地では養殖クロマグロが先月から10%の上昇

・国内生乳生産の落ち込み予想から輸入バターが昨年同月から30%の値上り

・2010年産のブランド米の値上りは一服していますが、

 秋の新米季節には値上りは必至と予想されています。


そのような環境の中で、

食品メーカーの製造アイテム数の絞込み、製造工場の集約が出て来ました。

・ハウス食品は大阪のスパイス工場を年内に閉鎖

・日清製粉は九州の2工場を閉鎖し、福岡に新工場を建設

・伊藤ハムは20年までに14工場を6カ所に集約

・雪印メグミルクは関東・関西の3工場を閉鎖、茨城に新工場を建設

メーカー各社は今後の原材料高は避けられないとの中で、

生産性を上げる為に工場の集約、新工場の建設を急いでいます。


一方、小売りでは大手コンビニが主力の弁当・惣菜類の消費期限を延ばすこと始めました。

・セブンイレブンは麺の製法を開発することでパスタの販売時間を65時間に延ばす

・ファミマは野菜サラダ工場の製造工程や配送方法を改善することでサラダの販売期間を16時間延ばす

・ローソンはチルド弁当の販売で販売時間を1日延ばす

コンビニ各社は揃って販売時間を延ばすことに取り組んでいますが、

これも値引き・廃棄によるロスを押さえ、資源の有効活用に取り組む姿勢です。


食品スーパーの惣菜、米飯は冷惣菜の製造工程改善による販売期限の延長は同じですが、

温惣菜や米飯はホットな出来たて製造販売を強化することで

製造工程の改善に取り組み、商品の差別化を進めることが重要と考えます。



今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜、米飯、寿司


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