総務省が3月末時点の人口動態調査によると

・日本の総人口は1億2665万9683人となって、

 前年同期比26万3727人減少した。

3年連続減少で、昨年の震災でなくなった方も含め過去最大の減少になった。

・出生数は前年を下回る104万9000人で過去最低を更新、

・死亡数は125万6000人と過去最高

人口減少数が大きい都道府県は

・福島県が44281人

・北海道24700人

・岩手県17019人

と震災の影響を受けた県が上位に来ており、

人口増加の大きい都道府県は

・東京都が36810人でトップだが、沖縄県が9355人と4位に入った。


この人口減少は国内産業にとって、じわじわと首を絞められる思いがする。

内閣府が発表した7月の「街角景気指数」の先行きは前月比0.8ポイント低い

・44.9となり、3カ月連続の悪化となった。

街角景気の現状判断指数は、前月比0.4ポイント高い44.2で、

気温上昇による衣料や飲料が伸びた結果だが、景気の分かれ目である50を下回っている。


国内サービス業はこの需要減に対して、いろいろな戦術で対応を始めている。

・ダイエーはスペイン産高級豚肉で知られるイベリコ豚の販売を拡大。

 イベリコ豚の試食販売を増やし、特売を強化し、精肉の需要を喚起する。

 同社はイベリコ豚を発売して3周年を記念した販促で売場も拡大して拡販する。

 今までの対策だと価格販促が中心であり、US産豚肉の販促で終わっているが、

 今回は高級豚肉のイベリコ豚を強化することで、需要拡大を図るところに意味がある。

惣菜ではイベリコ豚使用の生姜焼丼、焼肉重等、知名度は上がって来ている。


・ワタミは低価格居酒屋「旨い屋」を7月中旬に開店した。

 価格帯は1品¥250中心で、上代は¥480まで刺身や焼き物の約60種類を用意する。

 過去にも低価格居酒屋はある中で、低価格だと売価に合せて食材の質も落とし、

 人気はなくなり客離れを起こしてしまった。

 今回ワタミは食材の品質にこだわり、スケールメリットを生かし

 味・品質を維持した低価格居酒屋で需要の拡大を図ろうとしている。


外食は家飲みや五輪の影響で売上に大きな影響が出ている中、

大手チェーンは値下げで対抗する。

・「日高屋」を展開するハイデン日高は通常¥350の生ビール中ジョッキを

 ¥300に値下げした。

・「牛角」を展開するレインズインターナショナルは看板商品の牛角カルビの売価を

 15%引き下げ、1皿515円で提供を始めた。

・リンガーハットは平均単価¥700だが、¥500以下の商品を投入する。

只し日経レストランの調査では、外食各社の今年前半売上は客単価¥2000以下の

店の影響が大きく、¥2000以上の店の業績は回復している。

低価格戦略は価格以上の価値ある商品が出せるかどうかにかかっている。


その中、セブンイレブンは「家飲み」増加に対応し、

全店の6割の店舗で酒類売場、冷蔵ケース2本から3本に拡大する。

コンビニで酒を買うお客の3割は総菜を一緒に購入する傾向にある。

(私もその一人)


消費者の需要喚起に、「品質」「価格」と「サービス」は欠かせない。

そごう西武百貨店は来年から全店で元旦営業を始める。

従来百貨店の2日の売上は年間でも高く、元旦営業のメリットは大きい事は分かっているが、

テナントとの関係で進んでいなかった。

同社では、百貨店が既存の商習慣に捉われていては、顧客の支持を得られないと踏み切った。

しかし、三越伊勢丹は昨年8月から主要店舗で定休日を復活している。


9日~11日までの3日間、震災後の東北スーパーを見て来た。

スーパー各社は見事に立ち直っており、中でも惣菜売場にはいろいろな取り組みが見えた。

・生鮮の惣菜化

 精肉、鮮魚の焼き物・煮物惣菜売場が広がり、品揃えも増えた。

・手作り惣菜の拡大

 首都圏スーパーでは惣菜のアウトソーシングが多くなっているが、

 東北各店舗では、米飯や寿司は当然、煮物、サラダ、フライにもインストア製造アイテムが増えている。

・惣菜商品化作業の向上

 低価格志向の店舗は減って来ており、惣菜の品質・見映えを重視する商品づくりを

 志向する店舗が増え来ている中、商品化レベルも上がって来ていると実感した。

ローカルスーパーの生き残る道は地域密着、手作り志向、サービスの強化だと思っている。

その点、地方のローカル色は薄くなって来ているが、大手チェーンと競う力は上がっている。 



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net