今月に日銀が発表した3月の企業短期経済観測によると、

足元の業況はアジア向け輸出が振るわないが、12年度・製造業の経常利益は

前年度比0.6%増の改善を見込む。

12年の前半は減少するが、後半は27.5%の増加を見込み、

非製造業も下期から増加を見込んでいる。

大手製造業の設備投資は12年度比3.6%増と11年を上回っており、

業績好転を見込む理由は円高修正で輸出採算が改善されると見込む。


3月の大手百貨店は軒並み並み好調で、大手5社は揃って既存店で前年を上回った。

宝飾品や高級ブランドなどが好調で、購入単価が上昇したと言う。

・伸び率は三越伊勢丹が38.2%増
 
・そごう西武が16.9%増

・高島屋が16.8%増

・大丸松坂屋が10.3%増・・

など昨年の震災与件を含め、春もの衣料なども伸びているという。


景気回復を予測してか、消費者のGWの旅行予約が好調だ。

今年は連休を取り易い日並びになっており、国内の東京スカイツリーなどの名所も増えた。

大手旅行会社の予約状況は3月末時点で、軒並み昨年を大きく上回っている。

・阪急交通社は前年比、57%増

・JTBは33%増など震災の無かった10年と比べても二桁増になっている。


直近では花見商戦が満開の中で、

・西武池袋店では花見向けの弁当やおつまみ商材を増やして、

 1800円など高い弁当が好調で、客単価は10年を超えている。

・セブンイレブンの予約弁当は800~1500円の売上が4月から前年の1.5倍に増えている。


今週から新学期も始まり、今後の消費市場をどのように捉えてどう攻めるか、

団塊の世代が年金生活に入り、まだ心身ともに若いと認識している彼らの消費について、

博報堂の調査では今までの65歳は成熟した世代と呼ばれていたが、

現在は成熟から「若々しい」「センスが良い」と呼ばれたいと結果が出た。

それは外面的だけではなく、内面的にも同様な変化が起きており、

・プレミアムビール、機能性飲料、サプリやデジタル一眼レフカメラやハイブリット車など

新しい前向きな大人消費が新しいビジネスチャンスを生んでいる。


・12年目を迎えた「ブランドジャパン2012」の中でダイソーが39位から9位に入った。

 ダイソーで何が変わったのか?

 店内リニュアールで過去のゴチャゴチャしたイメージから

 内装は明るいパステルカラーでまとめ、通路を広くスッキリとしたイメージに変身。

 3月からの新生活キャンペーンでは商品のカラーコーデネイトを図り、

 「手頃な価格でおしゃれ」なダイソーへと消費者の嗜好に乗って来た。


その他、小売業は基本を徹底的に追及し、差別化を図ろうとする動きが出ている。

・成城石井は現在3カ所にある物流センターを1カ所に集約し、

 商品の温度管理を徹底し、特に力を入れているワインを温度と湿度で保管出来るようにする。

 又、総菜の鮮度アップのために新チルドセンターを稼働させる。


・放射性物質を自主検査する動きが活発化する中、ローソンは新たに独自の米飯、総菜について

 製造工場30カ所に検査機を入れ、体制を拡充する。

 コンビニ各社はPB商品比率を強化している中で、検査を強化・拡大し安全を確保する。


・セブンアイ・フードの既存店売上が前年を上回るよになってきた。

 昨年からトップに就いた大久保社長が実施して来た事は、

 挨拶などの基本の徹底の改革が来店客のイメージ向上につながり、

 客数や客単価アップにつながっていると見ている。

 イトーヨーカ堂から引き継いだ「基本の徹底と変化の対応」を

 大久保社長は他社でも実行、効果を上げ、再び古巣で取り組んでいる。


小売業を含め、サービス業には基本4原則がある。

品揃え、鮮度、クレンリネス、サービスの4つがある。

この基本を徹底して追求する事が消費者の支持を得るベースとなる。

この基本なくして、他の取り組み・応用は通じないことを再認識する事だ。




今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net