2013年 2月の記事一覧

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13年02月24日 13時04分53秒
Posted by: asahikikaku
円高修正を受けて消費者が動き始めている。(日経)

・ハワイなどへ海外旅行の予約が増えていることや

・家具や輸入ワインなどが昨年末から伸びて来ている。

その他、輸入腕時計やバッグなども売れ始めているという。

これから円安が進む前に商品やサービスを購入する駆け込み需要が増えており、

価格に円安の転嫁はまだ現れていないが、消費者はこれからも円安が進むと見ているようだ。

食料品や日用品などの日常の消費に円安、景気の影響を受けるのはまだ先になりそうだ。


日本チェーンストア協会発表の全国スーパーの売上高は(既存店)

・前年同月比4.7%減で、11カ月連続のマイナスとなっている。

・コンビニも1月まで8カ月連続で売上高は減少している。

家計調査によると、昨年10~12月の電気料金は前年比7%増えており、

円安による逆メリットで原油高の影響が、電気料金などを押し上げると家計の余裕は減る。


円安の影響は小売り、外食産業にもデメリットを与えることが予想され、

各社はメニュー数の削減や店舗人員の配置見直しでコストダウンを図る動きがある。

・ガストはメニュー数を170品から120品に絞り込む。

・リンガーハットは昨年10月にセルフサービス型店を開店し、人件費削減を図る。

・牛肉を100%輸入に頼っている牛丼大手3社は2桁の経常減益を見込む。

足元の円安が進めば更に逆風が強まり、コスト構造の見直しが急がれる。


味の素が実施した「シニア調査」でシニアの食事の意識と行動が見えて来た。(日経)

60、70代は節約するよりも多少お金をかけても、良いものを食べたいという

ニーズが高いことが分かった。

60、70代の関心事は「健康」「交流」「余暇」の順でスコアが高かった。

健康志向は「身体に良いもの、健康に良いもの」と答えた人の割合は多く、

具体例としては減塩、減糖、低カロリーなどを意識して、野菜やカルシウムに関心が高い。


手作り惣菜については70代後半から急に減少し、

弁当・総菜や加工食品を使用する割合が増加し、食の外部化が高まる。

5年後の2017年は団塊の世代が70代に入り、

中食・総菜の需要が高まり、ビジネスチャンスが更に広がると予想される。


円安とシニア消費が今後の課題になっているが、

・首都圏スーパー、マルエツは「品質重視」のPB商品を強化する。

 2015年を目途に現在の7割増に当る350品目に広げる。

 PBで低価格対応を進めるスーパーとの違いを打ち出し、新たな収益源に育てる。


・PB商品販売ではトップのイオンは2013年度に売上1兆円を目指す。

 17年の販売実績予想は7000億円で、更に格安PB商品を増やし、

 品目数を1.5倍に拡大する。

 同社のPB比率は約20%だが、13年度は25%程度を目指している。


商品ブランドでは圧倒的な強さを持つネスレ日本の高岡社長は、

小売りPB商品について歓迎する一方、

「小売りがパッケージを見せなくても名前が出て来るような価値を持つ商品開発が重要」

と語っており、PBが企業イメージと一致する戦略が求められている。


PB商品は一般食品から生鮮食品へと広がる。

サークルKサンクスはユニーグループのPB商品「スタイルワン」として

一口キャベツやキャベツミックスなど生食用カット野菜を開発し販売する。

価格は全て¥98に設定し、シニア層や女性客を取り込む作戦を強化。

更に「ミニスーパー型」と呼ぶ新型店はコンビニでは扱いにくい

葉物野菜も充実し、青果販売額を前年比2倍まで引き上げる計画だ。


円安傾向による消費への影響はじわじわと浸透し、

このまま行けばスーパーなどの日常品は秋以降に好感触が得られるかも知れない。

一方原材料のコストアップと消費増税を控えて、

コストを吸収出来る価値ある商品開発が重要になっている。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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13年02月17日 11時59分54秒
Posted by: asahikikaku
国内景気の底入れ感が高まって来た。

昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は

前期比年率で0.4%減と、マイナス幅が大幅に縮小した。

百貨店の西武池袋店ではロレックスなど海外ブランドの腕時計や

真珠ネックレスなど売上が昨年から2割上がっている。(日経)

円高修正と株高を背景に家計の消費意欲が、

富裕層を中心に資産効果が表れて来た結果としている。


内閣府発表の1月消費動向調査で、

消費者態度指数(一般世帯の季節調整値)は43.3と前月より

4.1ポイント改善し、過去最大の上げ幅となった。

消費者態度指数は昨年12月まで4カ月連続で悪化していたが、

一気に改善し「デフレ心理」に変化が出て来たことを予想させる。


家計消費に大きな影響を与えているのがネット通信販売だ。

セブン&アイなど主要小売業40社の2013年ネット通販売上高の合計は

1兆円を超える見通しで、各社はネット販売にシフトを急いでいる。(日経)

12年度の売上は前年比23%増の8600億円で、13年度は更に30%アップの見込み。

イトーヨカ堂のネットスーパーの営業利益は20億円と1割アップし業績を下支えする。


消費者の購買心理は「時間の節約」であり、

楽をしてスーパーの店頭と同等の商品が購入出来れば、今後もこの勢いは増して行く。

マクドナルドの今期減益決算の例にあるように、

消費者は店頭まで足を運ぶ為には、商品以外のサービスや心理的動機が必要になっている。


既存店舗の客数減少は続いており、小売りサービス各社の対応は分かれて来ている。

・西友は来期中に食品や日用品を中心に2000品目値下げする計画を発表した。

 第1弾として18日から700品目を平均6.5%値下げする。

 ダイエーやイオンも追加値下げを発表しているが、価格訴求で客数増を狙っている。


・コンビニのミニストップとココストアはPB商品など300品目を共有化し、

 仕入力を拡大して価格競争力を付け、客数増を図って行く計画を発表した。

 4月までにイオンのトップバリューPBを新たに導入する。


・3月に開店する「イオンモール」春日部店、つくば店では

 物販以外のペットも楽しめるドッグランやフットサルコートを併設し、

 滞在型の利用施設・テナントを増やし、「コト消費」への対応型店舗にする。

 消費者を商品以外のサービスで客数アップを図る店づくりも進んでいる。


惣菜売場の強化・刷新を図るスーパーが増えている。

・ダイエーは来期中に惣菜と生鮮部門の垣根を取り払い、

 すぐ食べられる「調理済食品」をまとめて販売する売場づくりをする。

 鮮魚部門の生寿司や焼き魚・煮魚惣菜と惣菜売場を一つに括った売場づくりと

 弁当の炊飯や配送を見直し、商品力の強化を進める。


・首都圏のコープネット連合は3年間で約170店舗の改装を実施、

 日用品や雑貨を絞り、惣菜売場を15~30%拡大する。

 改装ではサラダ関連をまとめた「サラダステーション」

 電子レンジで加熱するだけの「レンジアップデリ」、

 その他魚介の干し物コーナーや冷凍調理品売場の拡大を計画する。


外食では「丸亀製麺」の出店スピードが年間100店舗と好調を維持している。

・栗田社長はその要因を

 「効率を目指した安易な仕組みではなく、直営で対面販売、店内製麺のこだわり、

 専門店のイメージを追求した結果」としている。

外食もコンビニとの競争が激しくなる中で、商品の専門性に加えて

お客様とのコミュニケ-ションがある瞬間を大切にして、客数増加を図っている。

又、直営を重視しているのは、うどん専門店を目指し、出来たて作り立て、

手作り感へのこだわりを重視しているからだと話している。


スーパーの惣菜強化も消費者からの目線では外食と全く同じだ。

惣菜売場の拡大も必要だが、

「出来たて作り立て、手作り感へのこだわり」を持って専門店化を図って行く事であり、 

ネットスーパーでは出来にくい差別化要因にも通じる戦略になる。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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13年02月10日 12時00分33秒
Posted by: asahikikaku
1月の街角景気に改善傾向が続いている。(日経)

内閣府調査の景気調査で、経済活動を映す街角景気は

前月よりも3.7ポイント高い49.5と改善した。

上昇は3カ月連続で、

足元の円安・株高を好感し、企業の業績改善に期待が広がっている。

数か月先を占う先行き判断指数も、前月から5.5ポイント高い56.5となり、

2001年以降で2番目に高い水準になった。


企業の業績改善-消費回復を見越してか、

2013年のショッピングセンター(SC)の開業件数予定は70件と

前年よから倍増する計画だ。(日経)

平均店舗規模は1万3千平方mと中小だが、

地方の駅前などを中心に、サービス系テナントを取り込んで出店する。

一番影響を受けるのが地域の食品スーパーになり、特に週末の客数減が懸念される。


小売り競争が厳しくなる中、2極化消費に対しての販売戦略が目立って来た。

・セブンイレブンの店頭に並ぶデザートの内、常時陳列される定番比率が8~9割に達する。

 同社のデータでは売上上位にはシュークリームなどの定番が決まっているという。

 商品の入れ替えが激しいコンビニ商品の中で、

 定番商品と言えども味・品質を磨き消費の2極化に対応した結果だと思う。


・食品スーパー、エコスは鮮魚売場に「産地直送」コーナーを設け、

 対面でお客様の注文に応じて魚を加工したり、調理の相談を受けたりして、

 中高年を中心に売れ行きは好調だという。

魚消費が伸び悩む中で、商品の価値観を上げて販売を伸ばす売り方が支持されている。


・ドトール・日レスHDの「星乃コーヒー店」はフルサービス型の出店を加速する。

 セルフ型のコーヒー店、FFやコンビニのコーヒーショップが増える中で

 落ち着いた雰囲気の店内で店員が注文を取るフルサービスタイプが好調だという。

消費者は生活場面に応じて、¥100コーヒー店だけでは得られない満足感を

フルサービス型喫茶店に求めている。


・小売業では更に値下げをする企業が増えている。

 3月以降にダイエーやイオンでは格安PB商品など更に追加値下げを検討し、 

 「無印良品」の良品計画は雑貨など約200品目を1~3割を値下げ、

 カインズも3月に日用品を中心に100品目を追加値下げする。

値下げしても荒利額は落とせない。コストダウンの見通しがあってこその値下げ戦略だ。


日経が20~60代の男女1000人に尋ねたところ、

・4人に1人は1週間に3日はコンビニに行くと答えた。

 1年前よりコンビニに行くと答えた人は約2割、

 スーパーやドラッグに行く機会が減ったと答えた人も約2割となり、

 コンビニが他業種から消費者を取り込んでいることが鮮明になった。

 コンビニは今後ドリップ型コーヒーに力を入れ、FFの顧客を取り込む。


・FFの代表であるマクドナルドは2012年12月期の経常利益は

 前年同期比14%の減と7年ぶりの減益になったと発表した。

 ¥100コーヒーで動員した顧客が、他の商品を合せて購入する関連販売につながらなかった。

マックの商品力が落ちたとは言えないが、バックには少子高齢化とそれによる異業種間競争がある。

同社は今後、朝マックや宅配に力を入れ、過去のモデルを変えようとしている。


国内消費は少子高齢化現象をベースに2極化消費は益々顕著になって行く。

自店は商品とサービスを磨き、付加価値を付けた価格で勝負するのか。

又は余分なサービスを剃り落し、価格による価値観で勝負するのか。

一番危険なのはその中間であり、現状維持に留まっている店であり、

いずれにしても戦略・体質変換には時間がかかり、

その第一リミットは2014年4月の消費増税に迫っている。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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13年02月02日 12時02分10秒
Posted by: asahikikaku
政府発表の事業所版の国勢調査では、

2012年2月時点の国内企業数は2009年7月時点に比べ8.6%減った。

東日本震災の影響もあるが、

産業別では卸・小売業が12.3%と大幅に減少し、

高齢化などを背景に医療・福祉だけが2.4%増になった。


国内生産を示す、鉱工業生産指数は昨年12月に2.5%上がり、

4ヶ月ぶりに高い水準に上昇した。

経産省によると先行きも改善が続くと見られ、

予測指数は1月2.6%増、2月は2.3%増を見込む。

メーカーが活力を増し、個人所得に反映され、消費に回って来るのはいつ頃か。


日本経済新聞社が2012年の食品・日用品の主要80品目の

税抜き店頭価格を調査したところ、

全体では0.1%下落とデフレが続く中で、25品目が11年より上昇した事が分かった。

主な商品として、

・コーラ飲料は3.4%アップし、キリンのメッツコーラ、

 サントリーのペプシスペシャルなどトクホ商品が好調だった。

・即席袋麺は3%アップし、マルちゃん正麺、や日清ラ王などが

 生麺のような食感で好評だった。

同質化商品は価格競争で値下がりし、異質化商品は高くても売れている。


スナック菓子大手のカルビーと小池屋の業績が好不調を表している。

・カルビーは定番商品のうすしおポテトチップなどを値下げし

 スーパーPB商品との価格競争をしながら、

 ベジップスなど野菜スナックなど高単価商品を強化し、販売を伸ばした。

小池屋のフレンテはスナックの価格競争に押されて、6月最終損益はゼロになる見通し。

異質化商品の価格競争力は強く、企業の業績に大きく反映する。


ドラッグストア大手がディスカウント(DS)を重視し始めた。

・ツルハHDはビッグタウン名で販管費12%で営業利益12%の

 テスト店に目途を付けて、来期からの出店拡大につなげるという。

・その他、スギHDは傘下のDSジャパンを経営統合し出店拡大を図り、

 サンドラッグも傘下のダイレックスを北関東に3店舗出店し実験する。

DSはスーパー業界をはじめとして、

ドラッグが参入しこれから価格競争は益々激しさを増して行く。

最後の生き残りは規模の論理になって来るのではないか?


価格競争は小売り業界だけでなく、

外食業界においても居酒屋・牛丼チェーンにも息切れが目立つ中で、

お値打ち感で繁盛している店が話題になっている。

・「俺のフレンチ・イタリアン」は本格料理を破格の料金で提供する。

 原価率は80%を超えるメニューもあり、立食で1日3~4回転と回転数を上げ、

 粗利益額を稼ぐスタイルで伸びている。


価格以上のお値打ち感で商品回転数を上げ成功して来たモデルは、

小売り業界にも家具業界にも存在するが、

多店舗展開になって行く過程で、それを維持出来るサプライチェーンが鍵になりそうだ。 


1月31日、百貨店3店が閉店した。

・そごう・西武沼津店、呉店、大丸松坂屋新長田店が営業を終えた。

 日本百貨店協会によると、昨年までの3年間で閉鎖した百貨店は26店になり、

 その7割が地方店だった。

近隣スーパーSCとの同質化で競争力がなくなって来たのが要因のようだ。



厚労省の統計によると、日本の世帯人員の平均は

1991年の3.04人から20年で2.58人と減少し、

65歳以上の高齢者がいる世帯では単身者か夫婦世帯が半分強を占め、

30年には7割に達する見通し。


スーパー各社は中食の惣菜売場の拡大強化に製造工場を増強する。

・ヨークベニマルは3月から郡山市に新工場を稼働させ、

 和洋惣菜など130品目を生産し、「だんらんデリ」として

 従来の売場より拡大した惣菜売場で高齢者や単身者の個食に対応する。


・いなげやは16年春に総菜新工場を新設する。

 又、ヤオコーは14年に総菜工場を立ち上げ、既存の工場から移転する。


スーパーは将来の伸びる市場を取り込む為に、

惣菜売場の品揃えを充実・拡大する中で生産性を上げなければならない。

店舗の競争力と利益確保の両立を目指して投資が続く。

スーパーの商品はすぐに真似られてしまうが、

自店の異質化を販売にオペレーションにと広げていくことが求められている。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net
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