2012年 12月の記事一覧

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12年12月23日 18時13分52秒
Posted by: asahikikaku
クリスマス商戦がピークに突入。

23日、都内百貨店の専門店を除いて見ると、

・ローストチキンレッグは¥680~¥990

 中心プライスは¥880、

 名古屋コーチンロ-ストレッグ¥1490

 ローストターキーレッグは¥1890

・ローストチキン(丸)は¥2200~¥4500

・フライドチキンレッグは¥680が中心

・オードブルはワインに合う1人前¥1480、

 3~4人前¥2300~¥4500

その他、チキンキエフ¥730、カニグラタン¥600等

百貨店のイベント時には消費不況は感じられない。
 
商品づくりに最高の原料を使用し、商品の出来映えも良い。

スーパーでも商品の製造方法や売り方を見習う点は多く、

今後、専門店の売れ筋をスーパー価格で導入を計って行く。


今年のクリスマスチキンはコンビニの拡大が大きい。

店内にフライヤーを導入し、フライドチキンを大きく拡大している。

この影響は専門店やスーパーに昨年以上の影響力があると思われる。


コンビニ大手の業績は既存店がやや苦戦をしているものの

過去最高の出店スピードで最高益を更新している。

・ローソンの2012年3~11月期は前年同期比6%増になったようだ。

コンビニ各社が力を入れている政策に

売れて儲かる利益率の高いPB商品の開発がある。

アイテムが絞られている中のPB商品開発は原料調達から始まり、

メーカーの製造原価に深くかかわることになって来た。

・発売後半月で一時休止にした「ファミマプレミアムチキン」は

 タイで飼育期間を延ばして育て、肉の旨味を出したチキンが特徴。

・ローソンの「プレミアムロールケーキ」は

 小麦は米国産の最高級品とクリームは北海道東部産を厳選して製造。

・その他、セブンの「100%モルトビール」など原料を選定し、

 そこから商品開発を進めている。


沖縄の地場スーパーのサンエーは今年3月よりローソンのPB商品の扱いを始め、

3年後を目途に食品売上比率を2%まで引き上げる計画。

自社開発PBだけでなく、良い商品であればメーカー品より優先して取り扱うことが

各地のスーパーで広がって来るのではないか。


本来のPB商品は製造小売りでないと、商品の優位性は出せない。

しかし、原材料を海外に求めるようになると、

当然ですが為替の影響を受けることになり、

ここ数年の円高で恩恵を受けて来たが、

これから円安方向に進むと円安リスクを抱えることになり、利益を落とすことになりかねない。


PB商品が自店の差別化政策の有力手段だとすれば、

店づくり、売場イメージで差別化を図っているのが、100円ショップ「セリア」。

おしゃれな雑貨店をイメージして、どこでも同じ印象でセリアの世界観を伝える店づくりと

BGMについても有線放送から自前の音源に変えて、店舗イメージを五感に訴える。

同社の12年3月期売上高利益率は8.2%と同業を大きく上回っている。


2013年の小売り・サービス業界は激しい競合状況に置かれ、

その中で淘汰されない為にも差別化戦略を何で図るのか、対策が急がれる。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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12年12月16日 10時48分46秒
Posted by: asahikikaku
内閣府がまとめた11月の「街角景気」の現状判断指数は

前月より1.0ポイント高い40.0となり4ヶ月ぶりに上昇した。

要因として言われているのは

・円高基調が一服した

・気温の冷え込みで冬物衣料の売上が回復した

そして2~3カ月後の先行き判断指数は0.2ポイント上昇して、

41.9と7カ月ぶりに改善したが、

好不況の分かれ目である50ポイントは割り込んでいる。


又、内閣府発表の消費動向調査による消費者態度指数は

39.4と前月比で0.3ポイント低下し、3カ月連続で悪化。

景気回復が本格的回復に向かうかどうかは、

今週の衆院総選挙を終ってからの経済政策にかかっているようだ。


2012年もあと2週間、最終ピーク前の消費者は財布の紐を締めている。

イトーヨーカ堂の亀井社長は

・今の消費者は安くて、価値があるものでないと買わない

・求めているのは情報、商品情報を現場でいかに伝えて行くかが鍵になる。

情報をお客様に伝える為に、セルフ方式から接客販売の時代になったという。

その一環として人の見直しを行い、3年かけて正社員を半数に減らし、

パート比率を90%に上げ、社員は接客販売に力を入れてもらう計画だ。


消費者は何を求めているのか。

今年のヒット商品番付に挙がった「まるちゃん正麺」や「塩麹」にしても

商品の良さ・特徴が新たな価値としてコミュニケーションされヒットした。

商品が売れる為には、その商品情報をいかにお客様に伝えるか、

セルフ販売が主力のスーパーはPOPによるコミュニケーションの重要性が問われている。


シニア消費が話題になる中で、

年金の平均額は22万2千円の実収入で家計を全て補う事は難しい。

シニアの多くは支出にメリハリを付け、家計を賢く運用することに気を付けている。

そこで小売各社はシニア割引きクーポンやお買い物券を配布して、

消費を促すと同時に宅配に力を入れている。


ローソンはヤフーと提携し、来年1月からネットを使った食品や日用品の宅配を始める。

国内最大のサイトの集客力を生かして、ネット・宅配を強化する。

顧客はネットで注文すると、週1回指定時間帯に定期的に商品が届く。

送料は関東や山梨県は無料でそれ以外は有料となる。

2015年度には売上高1000億円を目指すという壮大な計画だ。


コンビニ大手のファミリーマート3~11月期の連結営業利益は前年同期比3%増となり、

3年連続で過去最高益を更新した。

ネット通販を手掛ける「ファミマドットコム」の利益も伸びている。


小売店は景気や競合店出店の問題で客数の伸びは期待出来ない。

今後は客単価を上げる為に、販売点数をいかにして伸ばすかに重点が置かれる。

その為には「今日のお奨め品」を明確にして、

先述の商品のセールスポイントをPRして取り組むことが重要になる。


小売各社は守りとしてのコストダウンにも取り組みが盛んに行われている。

・ヤオコーは2013年中にグロサリーや日用品を中心にした自動発注システムを導入する。

 標準店の品揃え1万3000品目の内、約3000品目が自動発注に変わる見込み。

 自動発注で発注にかかる時間を減らし、売場の充実など販売強化に当たれるようにする。


・ファミリーマートは弁当や総菜などの配送体制を見直す。

 関東1都6県エリアの全店を対象に2つの工場から商品を供給する体制に変更し、

 生産の効率化と災害に備えて、2工場で品目を再編する。


攻めと守りは企業が生き残るための戦略であり、

消費者に対しては潜在ニーズを発掘するために攻め、

企業内部には従来の経費はゼロベースの見直しで守ることが必要になっている。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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12年12月09日 13時25分05秒
Posted by: asahikikaku
日本の2025年度まで日本経済研究センターの中期予測によると、

・輸出の伸び悩みで経常収支は16.7兆円の赤字

・社会保障費の増加で財政収支は26.7兆円の赤字

名目国内総生産(GDP)比では11年に1.6%の黒字から

25年度には3.4%の赤字になり、国際収支と財政収支の「双子の赤字」になると予測する。

この双子の赤字は1980年代の米国の最悪期と並ぶ水準という。


今は衆院選挙戦の真最中だが、

議員候補者のどれだけの人が日本の将来を考えて演説しているのだろうか?

目先の甘い事しか耳に入って来ない事は、将来が本当に危ぶまれる。


8年増収増益が続いた日本マクドナルドが今期は既存店売上が低迷しており、

同社ではこの原因を20~30代の食生活が変わって来たことにあるという。

単身者が多い若い年代は家で安く済ませる合理的な食志向を強めている為、

外食への欲求が低下して来ている。

原因は景気低迷による若者の収入の低下にあり、2025年に向かって続くのではないか。


今年も残すところ3週間、スーパーの値下げ合戦が活発になっている。

日経MJのアンケート調査によると、

主要スーパー26社の35%が年末に向け、率先して値下げすると回答している。

冬のボーナスは3年ぶりに前年を割り込む見通しで、

家計は節約志向を強めクリスマス・お正月直前まで消費は伸びないと予測する。

しかし、売上確保を計る為値下げ合戦に乗ってしまうと、

最大の稼ぎ時が稼げない結果に陥る危険性がある。


日経MJ、2012年ヒット商品番付による食品は

・マルちゃん正麺、塩こうじ - 商品の本質追求

・メッツコーラ、黒ビール、コンビニチルド和菓子 - シニア層の健康志向

・ザクとうふ、焼肉牛丼 - すき間を狙った異質化商品

この中に価格競争に陥らないヒントがあり、

メーカーも小売りもこのキーワードで消費を喚起して行く事が重要になって来る。


百貨店の専門店で伸びて来た柿安ダイニングは、

和菓子ショップ「口福堂」を強化し、売上を2018年には2倍に増やす計画。

口福堂はお萩や団子、どら焼を主に販売し、保存料や人口甘味料を使わず、

自然な味わいと健康をPRし、作り立てにこだわっている。

和菓子業界は1995年の生産額4700億円が11年には3800億円と縮小しているが、

シニア層の拡大と味の本質や健康志向にこだわることでチャンスは大きい。


又、生鮮食品においても、味・鮮度の追求が始まっている。

冷凍肉や魚を美味しく食べるには、

・冷凍する段階で急速冷凍する、

・冷凍する直前までゆっくり冷却し、そこからもう一段冷す「過冷却法」、

・又冷凍しないで鮮度を保つ為に、雪のようなきめ細かい氷と塩水が混じった

 「スラリーアイス」を使うと魚の内部まですぐに冷える事で鮮度を維持する。


売上は伸びない時代の中で利益率を高める為に、小売り各社はPB商品開発に重点を置く。

・サッポロビールはセブン&アイと始めてPBビールを発売した。

 製造技術はあっても商品が売れなくては、ブランドにこだわっていられない。

 セブン&アイHDはPB売上を2015年には2倍の1兆円に拡大する計画で、

 食品メーカーも生き残りをかけてこれに参画する。


PB開発が活発になる中で、PB=低価格のイメージはまだ根強い。

メーカー品と同等品質であれば、価格は割安というのが一般的だが、

消費の2極化が大きくなってくる中で、同じPB商品で両極をカバーする事は出来ない。

PB商品に付いても、上記の本質、健康志向を外さない商品開発が大切になっている。

同質化が進むスーパーにとって、PB商品はMD政策のカギになり、

PBを成功させることが自店の異質化と利益率を左右する。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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12年12月02日 11時30分41秒
Posted by: asahikikaku
小売店や外食で年末商戦に入り、値下げの動きが広がっている。

・イトーヨカ堂は12月1日から全店で約1000品目を値下げする。
  
 同社の全店値下げは2009年春以来の値下げになる。

 食料品約800品目、日用品約200品目を1~4割を下げる。


・ニトリHDは11月30日から約870品目を1~4割を下げる。

 同社も大幅な値下げは2010年10月以来の2年ぶり、


・「すき家」のゼンショーは5日から全国で牛丼を30円値下げ

 値下げキャンペーンは4月以来で、(6日間限定)

 10月から吉野家が¥250の新業態に対応した値下げだが、

 これに「松屋」も続く可能性はある。


値下げとは異なるポイント還元で販促を始めるのは

・ダイエーが12月から「単品ハートポイント」として

 食品など平均で通常の20倍前後のポイントをつけて販売を始める。

 値下げで動員したお客様に1点でも多く買ってもらう為に単品ポイントを付けた。

 しかし、ポイント還元も最終的に利益から差し引かれるのは値引きと同様だ。


・スーパーの値下げ合戦で先陣を切った西友の7月~9月は客数が1.7%減と拡大、

 客単価も0.2%減って既存店売上は前年比1.9%減の営業赤字に転落した。


小売り、外食業界が値引き合戦に入ったが、値下げ効果はどうなのか?

消費者は値下げした時の刺激はあっても、時間経過と共に慢性的になり当り前になる。

これがデフレとして過去20年間続いて来た事実を考えなければならない。


出店戦略において、小売り・外食サービス業で小型店化が加速している。

・イオンは首都圏で小型スーパーの店舗網を広げ、13年までに

 売場面積が150㎡で約2000品目をスーパー並みの価格で販売する

 「まいばすけっと」と

 売場面積250㎡で品揃えは約1300品目と絞って、

 競合より低価格で競争する「アコレ」の出店を合せ、2倍の700店に拡大する。

 しかし、両店共に黒字化には至っていない。


・スタバは低コスト運営の小型店出店を始め、

 従業員や面積を標準店の約半分に押さえ、品揃えも絞り、

 運営費用を削減した店づくりを、都心のオフィスや駅中に出店する。

 入れ立てコーヒー市場はコンビニの店頭で扱う店舗が増え競合が始まった。


コーヒー喫茶店はスタバのようなセルフサービス店が拡大しているが、

逆にフルサービスを強化しようとする店づくりもあり、

・ルノアールはキーコーヒーと業務提携をして、

 店舗情報交換や人材交流を緊密化し、シニア層獲得のフルサービス店を拡大する。


又、小売り・外食業不振の影響はメーカーへと拡大し、戦略転換を迫られている。

・キューピーは42億円を投じて、総菜などに使う卵加工品工場を新設する。

 相手はコンビニ向けで、コンビニは弁当やサンドイッチなどの卵加工品需要が旺盛。

 コンビニはスーパーのような特売はなく、販売価格は安定しており、

 値下げの圧力は少なく利益性は高いと判断している。


・セブンイレブンが相手のわらべや日洋は、13年2月までに和菓子工場を増設し、

 生産能力を2倍に拡充する。

その他、マルハニチロは焼そばなど、ニチレイは鶏惣菜、味の素はおにぎり工場など

コンビニ向け商品生産の強化を始めている。


値引きで売上アップを狙うスーパー、

店頭の商品入れ替えを頻繁に行い、消費者ニーズを取り込むコンビニ。

セブンイレブンの場合、標準的な店舗の2900品目の品揃えの内、

1年後に店頭に残っている商品は3割にとどまるという。


値下げによる消費の先食いはテレビや自動車だけでなく、食品でも同じだ。

人口が増えない中で、人の胃袋は大きくならない。

目先の売上を狙う値下げ戦術に惑わされてはいけない。

値下げ経費を店舗と商品リニューアルにかけ、

いかにして消費者ニーズを取り込むか、に知恵を絞る時だと思う。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net
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