2011年 6月の記事一覧

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11年06月26日 12時51分11秒
Posted by: asahikikaku
2011年上期MJヒット商品番付が発表された。

東日本大震災を受け、その影響が国民消費に大きく影響しています。

消費の節約志向やメーカーの震災被害を受け横綱クラスは見送られたが、

食品関連では前頭に

・ソウルマッコリー(サントリー)

・ごまリッチ(ミツカン)

・ポン酢ジュレ(ヤマサ、ハウス食品)

・ノンアルコール飲料  
      の4品がランクインされた。

震災以前より芽生えている、健康・ヘルシー・和風・安全のキーワードが

より強調されたように思えます。

消費者は高齢化に伴い健康に配慮した「和」の惣菜を求めながら、

「洋」「中華」・・・も「さっぱりニーズ」が増えて来るのではないでしょうか。


食品以外では「節電」をコンセプトに

・衣料   - 「部屋テコ」「冷やテコ」

・家電   - 扇風機、LED電球、

・日用雑貨 - すだれ、扇子、うちわ

・植物   - ゴーヤ、ヘチマ

・外食   - アフター4販促


昨年の猛暑記憶が新しい中で、

震災の節約意識にマッチして上期のヒット商品となっている。

本州は梅雨の真最中、梅雨による被害や猛暑によってヒット商品も変わって来るだろう。


今は震災の影響を受けて物価情報には目が離せない。

<値上り情報>

・生乳では最大手のホクレンはチーズ向け生乳価格を1kg当り3円の値上げ
 
 その他、バターや脱脂粉乳についても値上げする

 今年は北海道から本州向けに生乳出荷量が増えると予想される。

・日本の新米はもう少し後だが、アジアを中心とする米の取引価格が

 5月から5%の上昇。

 中国の気温悪化による不作やタイの輸出価格の上昇が要因になっている。

・三陸で被害が大きかった海藻の値上りに対して、

 政府は緊急の輸入枠を通常の3倍(1700t)に追加して対応する。

・一次落ち着いたガソリン価格が中東のリビア、シリアの混乱で値上りして来た。

 
<値下り情報>

・昨年から値上りしてきた小麦や大豆など穀物国際価格が、産地の天侯改善で

 下落傾向が出て来た。

 小麦は11カ月ぶりの安値、大豆やトウモロコシも前月より値下がり。

・スーパーや回転寿司店の国産本マグロが、6月の水揚げの回復を受けて

 中トロは100g¥600とお買い得価格で販売されている。

 日本海側の水揚げは夏場をピークに昨年の3倍を見込むと強気。


水産・農産物は自然との闘いで先々安定することはないでしょうが、

被災地の状況や地球環境・・を考えれば節約志向は続くでしょう。


今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜、米飯、寿司


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11年06月19日 12時21分10秒
Posted by: asahikikaku
5月以降、東北地方の主要店舗の売上が前年比1~5割増と伸びて来た。(日経)

・三越仙台店は5月17%の増収

・盛岡の川徳百貨店10%増収

・仙台の藤崎百貨店5%増収

・イトーヨーカ堂仙台泉店、石巻あけぼの店5割増収

・イオン石巻店5割増収

・セブンイレブンの東北地方店は2割増収

イトーヨーカ堂やイオンでは家電売場を復活させて復興消費を取り込んでおり、

又、全国各地のスーパーや百貨店は被災地産品の売場を作って消費を後押ししている。


千年に一度の大震災に消費者の購買心理は大きく変わりつつある。

日本は一つのCMに代表されるように、

又、今だ届かぬ義援金より消費によって被災者を応援しようとする社会貢献意識が大きい。

その一方では、

節電、節水や無駄のない買い物をしようとする賢い消費意識は

これからの小売業にとって、販促方法や売場づくりに考慮されなければならない。

”今日は安いから沢山買って下さい。”という販促方法から

”今日はこんな理由でこの商品をお奨めしています。”と言うような

消費者の得する情報をきちんとPRして、理解して買ってもらうことが大切です。


その意味では”生活提案型販促・売場づくり”が重視されるようになると思います。


生活物資の値上りが続々と出て来ています。

・三陸産のワカメが全滅してその他国内物は5割高、韓国産も3割高と値上り。

・飼料用穀物の値上がりから養殖魚の相場が上昇している。

 東京築地では養殖クロマグロが先月から10%の上昇

・国内生乳生産の落ち込み予想から輸入バターが昨年同月から30%の値上り

・2010年産のブランド米の値上りは一服していますが、

 秋の新米季節には値上りは必至と予想されています。


そのような環境の中で、

食品メーカーの製造アイテム数の絞込み、製造工場の集約が出て来ました。

・ハウス食品は大阪のスパイス工場を年内に閉鎖

・日清製粉は九州の2工場を閉鎖し、福岡に新工場を建設

・伊藤ハムは20年までに14工場を6カ所に集約

・雪印メグミルクは関東・関西の3工場を閉鎖、茨城に新工場を建設

メーカー各社は今後の原材料高は避けられないとの中で、

生産性を上げる為に工場の集約、新工場の建設を急いでいます。


一方、小売りでは大手コンビニが主力の弁当・惣菜類の消費期限を延ばすこと始めました。

・セブンイレブンは麺の製法を開発することでパスタの販売時間を65時間に延ばす

・ファミマは野菜サラダ工場の製造工程や配送方法を改善することでサラダの販売期間を16時間延ばす

・ローソンはチルド弁当の販売で販売時間を1日延ばす

コンビニ各社は揃って販売時間を延ばすことに取り組んでいますが、

これも値引き・廃棄によるロスを押さえ、資源の有効活用に取り組む姿勢です。


食品スーパーの惣菜、米飯は冷惣菜の製造工程改善による販売期限の延長は同じですが、

温惣菜や米飯はホットな出来たて製造販売を強化することで

製造工程の改善に取り組み、商品の差別化を進めることが重要と考えます。



今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜、米飯、寿司


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11年06月12日 11時57分49秒
Posted by: asahikikaku
内閣府が5月の景気ウオッチ調査は、現状判断指数36.0%となり、

前月比より7.7%アップした発表。

しかし、2月の現状判断指数48.4%までは差があり、

50%以上に届くのは秋以降だろうか。

5月の企業倒産件数が1017件と前年同月比4.8%と増加していることも不安要因となっている。

先行き判断について、東北地方のスーパーは風評被害による産物の減少、

又、高速道路料金の改定による四国のスーパーや観光地も下降すると声や、

関西電力や九州電力の節電の影響も出て来ると予想されることから先行きは油断出来ない。


震災から3カ月が過ぎ、スーパーの売場にその影響はほぼ見ることはなくなったが、

先週あるスーパーでは、納豆売場におかめ納豆が全て品切れしていたし、

水の陳列棚はぽっかりと空間になっていた。

なぜスーパー各社の中でこのような差が出ているのだろうか。

メーカーの立場で見れば、納豆やヨーグルト、水の供給体制は完全に復旧したわけではない。

その中でメーカーは商品の納品について優先順位を付けて納品している。

ディスカウント志向の店、一般のスーパー、高級志向の店など

タイプはそれぞれあるが、最終的には小売店とメーカーの信頼関係にあると思う。

立場は異なっても消費者の為に半々の立場で良い商品を安定して届ける、

どちらかが一方的に強圧的に出れば、この信頼関係は崩れ、

商品の供給に齟齬が出てしまう。


この震災を機に多くの企業が今までのやり方を見直している。

マクドナルドの原田社長談として

「危機のなかにこそチャンスあり」

・いつもより頭を使おう、

・いつもより顧客の目線でやろう

・いつもよりワンチームでやろう

・いつもよりすべてを良くしよう

と発言し、震災前より組織力が高まって来たと述べている。

消費者は買い物をする際に、店として節電や省エネなど取り組んでいること、

努力していることを注目し、そのことを支持している。


海外情報として、米ウォルマートが13年ぶりに新業態の小型店

「ウォルマート・エクスプレス}を出店した。

昨年に小型店「ウォルマート・マーケットサイド}をテスト出店し

6月に1号店をアーカンソー州に開店した。

日本でもスーパーの出店は450坪、300坪、150坪と小型店化しており、

又、欧州のテスコも「テスコ・エクスプレス」の小型店を出店しており、

これから先進国では小商圏、小型店の競争時代に入り、シェアアップに必死だ。


小商圏競争時代において、注目される売場・商品は惣菜・米飯であり、

より手軽に消費し、高頻度来店を促す商品が重要視される。

同じ惣菜・米飯と言っても、自店の特徴ある商品・売場でなければ

消費者の支持を得ることは出来ない。

この機会に「自店らしさの商品づくり」を見直しましょう。



今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜、米飯、寿司


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11年06月05日 12時38分29秒
Posted by: asahikikaku
先週の中で「値上げ」に関する情報を拾って見ると、

・食品産業センターが食品メーカー各社のアンケート調査の中で

 今後1年間で主要原料の仕入れ価格の上昇を見込む企業は64%に達し、

 その内、43%は製品値上げで対応すると回答した。

 特に、穀類豆類加工品、野菜果物加工品を主原料にする企業に多い。

・2010年度産米の卸値価格が高騰している。

 新潟産、福島産コシヒカリ、秋田産あきたこまちなどの代表銘柄について

 昨年の新米出回り時期から約6割、震災後に比べ約3割の上昇になっている。

 しかし、首都圏大手スーパーの店頭価格は新潟コシヒカリ5kg¥2280と横ばい。

・食用油メーカーの大豆油、菜種油は業務用の卸値が前月比6%上昇した。

 業務用卸価格は1缶(16.5kg)¥3750~¥3850と前月比¥200の上昇し、

 昨年の春以降¥1000(36%)の上昇となった。

・輸入エビの代表品種、ブラックタイガーの国内価格が上昇に転じている。

 主産地のベトナム産が感染病で3割減の可能性があり、

 インドネシア、ベトナム産のブラックタイガーは前月より5%の値上り傾向、

 1.8kg当り(16/20)¥2,200~¥2300)と¥100の値上り

国内は震災によって東北産の穀物、野菜、果物、海産物、畜産全般に渡って被害を受けており、

今年度末に向かって食料品の値上がりは避けられそうにない。


日経新聞社まとめの2010年度飲食業調査の中で、

・店舗売上上位100社の合計は前年比0.1%減の5兆3181億円となり、

 1974年調査以来、初めての減収になった。

 ファーストフードや回転寿司は伸びたが、その他は市場飽和や震災の影響で大苦戦の状況。


その中で、店舗伸び率の高い企業と店舗の特徴は

・エムグランドフードサービス(ステーキハウス・けん) 前年比 232%

 ファミレス店の居抜出店により既存設備や器具を活用するため、

 店舗に統一感はないがメニューの割安感で好調 

・トリドール(丸亀製麺うどん) 前年比 28.7%

 個店オペレーションを重視、うどんのコシのある出来たて感で人気を取っている。

・アークランドサービス(とんかつ) 前年比 14.8%

 カンバン商品のカツ丼は80gの豚肉を使用して¥514のお得感を出し、

 メニューの絞込みとオートフライヤーの導入で人件費を押さえている。


3年前のリーマンショック、3月の東日本震災等の事故災害を契機に

消費者の購買行動心理は変わって来ています。

・ブランド志向は減少し商品の本質を求める本物志向

・地球環境に優しい、人の心を和らげるエコ志向

・企業、商品の倫理的、社会的姿勢に対して応援するエシカル志向

消費者は競争社会から共存社会へ、それぞれの企業・店舗が自分の持ち味を生かした

商品づくりと販売方法を求めているのではないでしょうか。



今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜、寿司


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