中国に関する報道のみならず、テレビや新聞の報道は国内、海外を問わず殆どが現象面中心で、それも江戸時代の瓦版(かわらばん)同様、「大変だ!大変だ!」が主体のようです。池上彰氏のニュース解説は懇切丁寧ですが、尚、何かもの足りません。そこで僭越ながら中国問題に関するニュースの背景の中で重要と思われる事項を暫く紹介していきます(一部韓国も含め)。
歴史に学べ:中国や韓国の政治家は、日本は歴史を教訓としていないと、今尚お説教めいた発言をし非難攻撃しています。多くの日本人にとっては理解に苦しむところです。その原因には大きく分けて二つあると思います。
その一:彼らの歴史を教訓とせよとの出発点、即ち基準は二つあり、いわゆるダブルスタンダードだと言うことです。例えば日本の国防体制を少しでも強化補充しようとすれば、それは歴史に学んでいないと言うことになります。強い日本の軍事力が中国各地や朝鮮半島支配の原因になったとみています。逆に彼らの軍事力は強ければ強い程、歴史に学んでいることになるのです。又戦前の日本は“上から目線”で中国人や朝鮮人を見ていたが、それを逆転させたいとの思いが強く、コンプレックスの裏返しとも言えるかと思います。
その二:数千年の歴史の中で形成された「恨みの文化」が彼等にはあります。元というモンゴル族が乗っ取り成立させた王朝、満州族が支配した清王朝に代表される軍事力で長年支配された歴史的教訓は日本にはないものです。その仕返しの執拗さは、文革中よく言われた「溝に落ちた犬は死臭を放つまで打ち続けよ」によって極端に表現されると思う。小さな朝鮮半島の歴史で陰謀が渦巻き何度も分裂国家の経験をし、長年中国の王朝の冊法体制に組み込まれ自立した国家体制を維持した期間が殆どなかった韓国もやはり「恨みの文化」でしょう。この様な原因が今なお虚実織り交ぜて“歴史教訓博物館”を拡充したり、慰安婦像をあちこちに立てたりしていることに繋がっています。ロシアの西南方カスピ海の西側に居住するチェチェン族は、「恨みは孫子の代にも引き継ぎ,晴らせ」という文化を保持しているとのことだが、類似しているとも言えそうです。
  斯様な心情が最も典型的に表れるのが、政府首脳の靖国神社参拝問題です。政府の命令で戦地に赴き戦禍に倒れた幾多の御霊を慰霊する務めは、先ずは政府首脳にあるはずですが、戦争を推進した「戦犯」も祀られているとして、反対し続けられているのです。恨みを水に流せない文化と、水に流す文化の違いとも言えそうです。

  一度頭を下げた相手を何時までも責めないと云う日本の伝統的文化(水に流す文化)とは何故真逆なのでしょうか?確かに日本の古代文明は主として中国大陸や朝鮮半島から導入して、発展して来ましたがそれ以上に日本人の国民性を形成するのに影響を与えたものがあるのです。それは、以前何度も指摘しましたが、島国であり且つ山国であるだけでなく、四季折々に大自然の特徴を明確に示す日本人の住む環境、気候風土が日本人を作り上げているということです。何処に向かっても2-3日で海に出てしまう狭い日本、どんな対立紛争があっても、お互い逃げられない、やっぱり仲直りして一緒に生きてゆくのが最善だ、と歴史的に形成されてきたものです。資源に乏しく只勤勉だけが資源、災害に遭っても直ちに立ち上がる、互いに思いやりを持って、助け合う精神が自然に民族性、国民性となり定着したのでしょう。日本伝来の神道と外来宗教である仏教が何の違和感もなく並立し、時には融合するおおらかさ等、中韓のみならず多くの海外諸国の人々にとっては信じられないことかも知れません。
  次回以降、海外への勢力拡大、即ち覇権主義や少数民族問題を含む植民地主義等について紹介しましょう。

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