今日の資本主義経済は、2つの経済が同居した経済であると考えると色々なことが理解しやすくなります。
一つは、実体経済(工業資本主義)と一般的に言われるもので、モノやサービスを生産、流通させることにより成り立つ経済です。この経済の特徴は、在庫循環により好不況が循環するということです。
もう一つは、金融資本主義経済です。金融資本主義は、金融機関が行う取引がすべて金融資本主義に入る訳ではありません。預金や貸付は、実体経済(工業資本主義)の一部であり、デリバティや株式売買、先物取引などの一般的に言われる虚業が金融資本主義になります。金融資本主義に好不況の概念はなく、その代わり、バブルとバブル崩壊である恐慌があるのです。
実体経済(工業資本主義)の上に金融資本主義が乗っかっているのが、現在の資本主義経済です。
昔は、好況不況の循環をいかに管理する資本主義経済の命題と言われてきました。その答えの一つが、金融資本主義経済による好不況の管理なのです。実際、米国がサブプライムローン問題、リーマンショックまで20数年に及ぶ好況を持続することができたのは、世界中から金が集まるようにし、金融資本主義経済を拡大することにより好不況の波を埋めてきた結果なのです。
ただ、残念ながら金融資本主義経済のバブルは必ず崩壊する運命にあることなのです。